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第16話
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バハムス視点
夜会が終わって、俺は部屋で1人になって憤る。
「ルーミエの見た目の変化にも驚いたが、明日本当の実力を発揮するだと!?」
俺は激昂していて、夜会でルーミエの発言をとにかく否定してしまった。
それでも――見た目を変化させる魔法を使い、授業で普通に魔法を使ったルーミエは異常だ。
「太って見た目を変える程度の魔法だから、魔力をあまり使っていなかったに違いない。はずなのに……」
断言することができないのは――同学年で最も優秀な魔法使い、ジトアのせいだ。
ジトアはカデアノ公爵家の令息で、数少ない同じ立場の存在だ。
立場が同じで年齢も同じジトアに、俺は敵対心を持っていた。
魔法の腕では敵わないが、俺の新たな婚約者になる予定のメリタなら上回れるかもしれない。
ジトアは何故か醜いルーミエに好意を持っているようで、見る目のない男だと悪評を流していた。
その後、メリタを新たな婚約者にして実力で上回れば――俺の方が優秀と判断されるだろう。
そこまで考えていたのに……ルーミエのせいで、最悪の事態になってしまうかもしれない。
「ジトアが今までルーミエと仲良くしていたのは、本来の力とやらを知っていたからなのか?」
今までの出来事を思い返すと、俺は不安になってしまう。
「いや、俺でも気付けなかったことだ。ジトアも何も知らないだろう!」
とにかく俺は、ルーミエの見た目を変化する魔法の魔力が少なかったと考えるしかない。
「明日、ルーミエは後悔して、そこからジトアの評判も落としてやる!」
この時の俺はルーミエの実力は大して変わらないと考えて――翌日、強く後悔することになっていた。
夜会が終わって、俺は部屋で1人になって憤る。
「ルーミエの見た目の変化にも驚いたが、明日本当の実力を発揮するだと!?」
俺は激昂していて、夜会でルーミエの発言をとにかく否定してしまった。
それでも――見た目を変化させる魔法を使い、授業で普通に魔法を使ったルーミエは異常だ。
「太って見た目を変える程度の魔法だから、魔力をあまり使っていなかったに違いない。はずなのに……」
断言することができないのは――同学年で最も優秀な魔法使い、ジトアのせいだ。
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その後、メリタを新たな婚約者にして実力で上回れば――俺の方が優秀と判断されるだろう。
そこまで考えていたのに……ルーミエのせいで、最悪の事態になってしまうかもしれない。
「ジトアが今までルーミエと仲良くしていたのは、本来の力とやらを知っていたからなのか?」
今までの出来事を思い返すと、俺は不安になってしまう。
「いや、俺でも気付けなかったことだ。ジトアも何も知らないだろう!」
とにかく俺は、ルーミエの見た目を変化する魔法の魔力が少なかったと考えるしかない。
「明日、ルーミエは後悔して、そこからジトアの評判も落としてやる!」
この時の俺はルーミエの実力は大して変わらないと考えて――翌日、強く後悔することになっていた。
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