婚約者の命令により魔法で醜くなっていた私は、婚約破棄を言い渡されたので魔法を解きました

第１１話

　翌日――ジトアが私によく声をかけているからか、生徒達が私に話しかけてくることはなくなっていた。

　前から私の本来の見た目をジトアが知っていたと、学園では噂になっている。

　ジトアは私が魔法で醜くなっていたことを知っていたけど、醜かった姿を見ても気にせず話してくれた。

　見た目が元に戻っても態度が変わることはなくて――私は普段通り接してくれるジトアのことが、異性として好きになっていた。

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　昼食を終えて、私はジトアの部屋に向かおうとしている。

　私の見た目が元に戻ったことで一番変化した人は、元婚約者のバハムスだ。

「ぐぅぅっ……まさかルーミエが、あそこまで変わるとは……」

　廊下でバハムスが通り過ぎて、背後からそんな声が聞こえた。

　周囲からのバハムスに対する陰口を耳にして憔悴しているから、思わず声に出してしまうようだ。

　バハムスは陰で非難されて、家での立場もかなり悪くなっているらしい。

　噂だから真相はわからないけど、バハムスの言動から間違いなさそうだ。

「もう私には、関係ありません」

　思わず呟きながら、私はジトアの部屋に向かっていた。