婚約者から妾になれと言われた私は、婚約を破棄することにしました

天宮有

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第18話

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アシェル視点

 計画は全て、エミリーとマルクスによって潰されてしまった。

 毒のナイフを所持していたのは間違いなくて、言い逃れることはできない。
 王家はまた、ティミル公爵家に慰謝料を支払ったらしい。
 俺も再び父上に呼び出されて――発言に、驚愕することとなる。

「アシェルよ、貴様とは家族の縁を切る。これからは平民として生きろ!」

「なっっ……父上は、何を仰っているのですか!?」

「もう父ではない! 貴様のせいでどれだけ大変な目に合ったと思っている!!」

 評判が戻らなければ勘当するとは聞いていたが、実行すると考えていない。
 どうやら今回の件で、父は俺を城に住ませたくなくなったようだ。

 今回の俺の行動で、貴族達も納得するはず。
 もう国王と話せなくなると考えた俺は焦り、とにかく懇願する。

「そんな……父上! どうか俺をここにいさせてください!!」

「ふざけたことを言うな! もうここにお前の居場所はない……キアラの屋敷にでも行けばどうだ? 愛があるのなら平民でも夫になれるだろう!」

 国王が叫び、俺は城から追い出されてしまう。
 その後―ー俺はキアラの屋敷に向かうことにしたが、会うことはできなかった。
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