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第31話
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休日を終えて、私は魔法学園に登校する。
今まで私を蔑んでいたこともあってか、教室の生徒は誰も私と関わろうとしなかった。
生徒達は今までのことを後悔している様子だけど、私が声をかける気はない。
「……えっ?」
そう考えていると……私は、ダリアの異変に気付く。
取り巻きの生徒達も察したようで、ダリアに尋ねていた。
「ダリア様、上機嫌ですね」
「ええ……今日の昼休みを、楽しみにしていてください」
そう言って私に目を向けた辺り、何か企んでいそうだ。
懲りていないようで……あんな目にあっても、まだ諦めていないことに驚いていた。
■◇■◇■◇■◇■
午前の授業を終えて昼休みになり、私は教室を出ようとしていた。
ここ最近はほとんど毎日ロランと昼食をとっていて、この時間が学園で一番楽しいと思っている。
それを邪魔するように――私の前に、ダリアがやって来る。
「――シエル様、少し待ってください」
ダリアが前に立ち、そんなことを言い出して私は呆れるしかない。
「私は、これからロラン様と昼食をとる約束をしています」
ロランの名前を出すと退くかと思ったけど、ダリアは引きつった笑顔で話す。
「うっ……すぐ終わるのだから、いいではありませんか」
「そうですね。ロラン様が理由を尋ねたら、そう伝えておきます」
「いい気になれるのも今だけよ! 貴方はもう終わるのだから!」
私の発言にすぐ激昂して、ダリアが叫ぶ。
そして、私の教室に元婚約者のバルターがやって来る。
そのバルターの言動に――私は、呆れ果てるしかなかった。
今まで私を蔑んでいたこともあってか、教室の生徒は誰も私と関わろうとしなかった。
生徒達は今までのことを後悔している様子だけど、私が声をかける気はない。
「……えっ?」
そう考えていると……私は、ダリアの異変に気付く。
取り巻きの生徒達も察したようで、ダリアに尋ねていた。
「ダリア様、上機嫌ですね」
「ええ……今日の昼休みを、楽しみにしていてください」
そう言って私に目を向けた辺り、何か企んでいそうだ。
懲りていないようで……あんな目にあっても、まだ諦めていないことに驚いていた。
■◇■◇■◇■◇■
午前の授業を終えて昼休みになり、私は教室を出ようとしていた。
ここ最近はほとんど毎日ロランと昼食をとっていて、この時間が学園で一番楽しいと思っている。
それを邪魔するように――私の前に、ダリアがやって来る。
「――シエル様、少し待ってください」
ダリアが前に立ち、そんなことを言い出して私は呆れるしかない。
「私は、これからロラン様と昼食をとる約束をしています」
ロランの名前を出すと退くかと思ったけど、ダリアは引きつった笑顔で話す。
「うっ……すぐ終わるのだから、いいではありませんか」
「そうですね。ロラン様が理由を尋ねたら、そう伝えておきます」
「いい気になれるのも今だけよ! 貴方はもう終わるのだから!」
私の発言にすぐ激昂して、ダリアが叫ぶ。
そして、私の教室に元婚約者のバルターがやって来る。
そのバルターの言動に――私は、呆れ果てるしかなかった。
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