悪いのは全て妹なのに、婚約者は私を捨てるようです

天宮有

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第9話

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オリドス視点

 数日が経ち、デーリカは更にトラブルを起こしていた。

 学園でデーリカは、気に入らない貴族を魔法で攻撃したようだ。
 学年が違う俺は後から聞いて、婚約者だから評判が落ちていく。
 もう俺は精神的に限界で、デーリカとの婚約破棄を決意していた。

 そして――ルザード伯爵家の屋敷に向かい、応接室で領主と話す。
 今まで起きた問題を理由に、デーリカとの婚約を破棄したい。
 それをルザード領主に話すも、返答に唖然とすることとなる。

「オリドス様。デーリカとの婚約破棄はできません」

「なっっ……ふざけるな! デーリカがどれだけ俺や俺の家に迷惑をかけていると思っている!?」

 ルザード領主の発言に、俺は憤るしかない。
 激怒して叫ぶと、領主は冷静に返答していた。

「それは仕方ないでしょう。それでもオリドス様のガルク侯爵家との取り決めで、婚約の破棄はできません」

「はぁっ!? まさかお前、こうなることがわかっていたのか!?」

 俺が屋敷に乗り込んできても、ルザード伯爵家の領主は冷静だった。
 取り決めについて話すと、納得して手続きを済ませた俺はデーリカとの婚約を破棄できない。

 どうしようもない状況で、俺はシンディの発言を思い返す。
 悪いのは全てデーリカだと、俺はようやく確信することができていた。
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