悪いのは全て妹なのに、婚約者は私を捨てるようです

天宮有

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第8話

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オリドス視点

 話を終えて、俺は部屋で1人になっている。
 デーリカは、自分が悪いとは微塵も考えていなかった。

 暴言を吐いた相手は子爵令嬢だったから、俺が謝罪することで納得してもらう。
 それでも他にも貴族達のいるパーティ会場で恥をかいてしまい、思い返した俺は頭を抱えていた。

「デーリカは自分が全て正しいと思い込み、全て人のせいにしている。どうして俺は、今までデーリカの発言を信じてしまったんだ……」

 貴族達に謝罪していたのは、デーリカではなく姉のシンディだ。
 その姿に苛立っていたが、詳しく聞こうとはしていない。
 そしてデーリカの虚言を、俺は全て信じていた。

「今まで俺の前では問題を起こさなかったからか。いや、デーリカの傍には常にシンディがいた」

 デーリカの行動を知ってから、俺は今までのシンディについて思い返す。
 俺が何も気づけなかったのは、シンディが行動していたから。
 そして――ルザード家の領主が、あそこまで不安になっていたことも納得できてしまう。

「クソッッ! もうルザード家とは関わりたくもない!!」

 現状に俺は焦り、思わず叫ぶ。

 これから、デーリカはまたトラブルを引き起こすだろう。
 俺はデーリカとの婚約破棄を決意するが、ルザード伯爵家は認めようとしなかった。
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