悪いのは全て妹なのに、婚約者は私を捨てるようです

第７話

オリドス視点
　
　１週間が経ち――俺は、デーリカを屋敷に呼んでいた。
　俺は部屋で、デーリカに数日前の出来事を話す。

「デーリカ。お前はパーティ会場で暴言を吐いていたが、どうしてそんなことをした！？」

　パーティ会場で、デーリカは貴族令嬢に暴言を吐いた。
　俺は唖然としながら、とにかく理由を尋ねることにする。
　そしてデーリカの返答に、俺は更に驚愕することとなっていた。

「シンディが家を捨てたのは私のせいと言ったからです！　着ている服がドレスでなければ叩いてました！」

「なっっ……デーリカは、何を言っている……？」

　そんなことをしたら、大惨事になっていた。
　動きにくそうなドレスを着ていたのは、恐らくルザード伯爵家の配慮なのだろう。
　それでも暴言を止めることはできず、パーティ会場では騒ぎになっていた。

「今の私はオリドス様の婚約者です。子爵家の令嬢を叩いても何も問題ありません！」

「馬鹿な……そんなことをあの場ですれば、俺達の評判は落ちていたぞ！？」

　デーリカの叫びを聞くと、本心の発言なのは間違いない。
　本心から言っていると察したから、俺は目眩がしてくる。
　侯爵令息の俺が婚約者になったことで、デーリカは増長しているようだ。

「そんなわけないでしょう。シンディはやけに謝罪していましたけど、何も問題ないに決まっているじゃないですか」

「ぐぅっっ……」

　発言を聞いて、今までも全てデーリカのせいだと察してしまう。
　シンディがいなくなったことで、俺はこれからも後悔することとなる。