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第54話

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バハムス視点

 数日が経ち――魔族達が巨大な虎のモンスターを2体も従えて、城を襲撃しようとしている。
 その報告を聞き、俺は頭が真っ白になっていた。

 魔族が従えた2体の虎は、預言書で書かれていた以上の力を持っている。
 本来なら魔族は倒す必要があったようで、倒せなかったことで最悪の事態になっていた。

 玉座のある部屋で報告を聞いて、国王が取り乱す。

「馬鹿な……この防衛力では魔族を対処できん! 全てバハムスとメリタのせいだ!!」

 国王が激昂して、俺とメリタを糾弾する。
 ルゴアス国は滅ぶとしか思えず、俺達は恐怖していた。

「預言書に書かれていた問題が、1つに纏まって今日起きている……メリタよどうすればいい!?」

「どうすることもできません! 城は、私達は終わりです!!」

 ルゴアス国の城は、魔力による障壁を張れる。
 優秀な魔法使いを数人雇っているが、魔族を相手に敵うわけがない。

 この時の俺達は――最期を覚悟して、絶望するしかなかった。
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