何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします

天宮有

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第88話

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 城に来たドスラを追い出してから、1ヶ月が経っていた。

 城をモンスターの群れが攻め込み、ランアス国は滅びたらしい。
 王都のどこかに国を守っている結界を張るための結晶体があるけど、それを壊されたようだ。

 大半の国民が移民していたようで、結晶体が破壊されると更にモンスターの大群が攻め込む。
 城も崩壊しているようで、ドスラが亡くなっていることは間違いないようだ。

 全てが終わった私は、ウルクと一緒に世界樹のある森を探索している。
 私とウルクが出会った場所で、これからのことを話す。

「ランアス国は滅びましたし、これから私はウルクの妻に相応しくなるためにも結界魔法を使っていきます!」
「エルノアは十分、俺の妻に相応しいだろう――これからも、一緒にいて欲しい」
「はい。私も、ウルク様と一緒にいられる今が幸せです!」

 ウルクの発言が嬉しくて、私は本心を伝える。
 何もできない王妃と言われた私だけど、今はウルクと一緒にいられることが嬉しかった。
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