何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします

第８２話

ドスラ視点

　リオナが亡くなりショックを受け、今後について考える。
　ここからランアス国が助かる手段は１つしかなくて、俺は宰相サウスに向かって叫んだ。

「もう全てリオナのせいにして、エルノアに謝罪し連れ戻すしかないだろう！」
「陛下！？　それは不可能でしょう！！」
「それ以外に方法はない！　俺が行くしかないだろう！！」

　俺のことが好きなはずだから、リオナのせいにして謝罪すれば問題ない。
　焦っていた俺は、本気でそんなことを考えてしまう。
　提案を聞き、サウスは苦い顔をしながら言う。

「今は城内にいるから、陛下は無事ですが……どんな目に合うかわかりませんよ」
「王家しか知らない地下道を使えば城の外には出られる。エルノアを連れ戻せば結界の力で対処すればいい！」

　最後の手段を使い、今後について考える。

　今からニールド国へ行き、エルノアを連れ戻すことに失敗した場合はランアス国を捨てよう。
　そんなことを考えて行動した結果――俺は、最悪の事態になろうとしていた。