何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします

天宮有

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第70話

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 魔法組織を潰すことが、リオナの計画だった。

 それは魔法道具から聞こえるリオウの声からも、間違いないだろう。
 エルノアの結界魔法が持つ本来の力を教えず戦わせ、魔法組織は追い詰められていた。
 
 レオウは捨て身の攻撃を防がれて消滅し、他の者達も捕まっていく。
 
「魔法組織は崩壊するだろう……これが、リオナの計画というのか?」
「ドスラ様には全て話しましょう。私は人生の汚点だった魔法組織を、ウルクとエルノアの力で消したかったのです」 

 魔法道具はレオウの視界と同調していたから、消滅した瞬間に映像が消えている。
 王妃となっているリオナは、捕えた者が証言したとしても無関係になりそうだ。

「レオウは私より強く、今まで指示を聞いてきました。消すためにはウルクの力を利用する必要があります」
「そして、隣国のランアス国にエルノアがいたから……リオナが王妃となることで、ウルクを強化する狙いがあったのか」

 リオナの話を聞き、俺は焦っている。
 ここまで計画通りなら……ランアス国は、リオナにとって用済みとなっているのかもしれなかった。
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