何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします

第６２話

　王都に到着すると、何もない場所から現れたモンスターをウルクが対処していた。
　
　ウルクが魔法を使い倒していくと、私達を囲む人達が現れる。
　これは昨日と同じで――魔法組織の襲撃と、察することができていた。

「魔力が完全に回復していない状況で、王都に戻ると推測して待ち構えていたようだ。この程度なら問題ない」
「リーダーの僕が来たのにこの程度とは、ウルク王子は自信家のようだ」

　そう言って、私達の正面に短い金髪の青年が現れる。
　私でも膨大な魔力がわかり、発言通り魔法組織のリーダーで間違いなさそうだ。

　そして謎の青年は、ウルクに向かって言う。

「はじめましてウルク王子、僕はリーダーのレオウ。君のせいで僕の同胞が何人も消されてしまったよ」
「処刑されて当然のことをしているからだろう」
「やりたいようにしているだけさ。仲間の仇討ちをさせてもらう」

　レオウと名乗った少年が正面にいて、私達は囲まれている。
　昨日の人達よりも強いと私でもわかり――全戦力で、ウルクを消しにきたようだ。