何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします

天宮有

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第34話

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ドスラ視点

 結界魔法が使えるエルノアを「何もできない王妃」と思わせ、リオナは追い出させた。

 俺も結界魔法が存在していないと考えていたから、全てリオナが悪いわけではない。
 それでも……リオナの計画を聞き、俺は唖然とするしかなかった。

「まず私は、ランアス国を支配しようと考えました」
「支配だと……?」
「それには邪魔だった王妃エルノアを追い出す必要があり、大惨事になることはわかっていました」

 エルノアの結界が消えると、その反動を受けてしまう。
 結界の恩恵を受けた場合だけで、本来の実力を隠していれば影響はない。
 リオナは結界の力を知っていたからこそ、今まで力を抑えていたようだ。

「ランアス国の問題は、私が王妃となった後にエルノアを連れ戻して解決させればいいだけです。エルノアは二―ルド国へ行く可能性が高く、そうなるとウルク王子が脅威でした」

 そしてウルクの実力を把握するために、兵士長ヒルゴを犠牲にした。
 報復としてどんな魔法をかけるのか興味があったようで、今から排除するための方法を決めるようだ。

「ランアス国の問題は私が対処すればしばらくもつでしょう。滅びる前にウルクを排除して、エルノアを戻せばいいだけです」

 そう言って、リオナがこれからの計画を話す。
 失敗すればランアス国が滅びるから、俺は協力するしかなかった。
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