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第29話
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ドスラ視点
ランアス国でリオナの次に優秀な魔法使いヒルゴでも、魔法王子ウルクを倒せなかった。
エルノアを連れ戻すことができず、最悪の事態だと思うしかない。
茫然としていたせいで、俺は正面にいるヒルゴの行動に反応できなかった。
「ウルク王子は恐ろしい方です。あんな目に合ったのに、これから私は処罰される――全て陛下のせいだ!」
ヒルゴが頭を抱えて苦しんだと思えば、話ながら一気に俺との距離を詰めてくる。
錯乱したヒルゴは俺を消すために動き、早過ぎて反応することができない。
剣で斬られて――俺の人生が終わる。
そう確信していたのに刃が俺の体を斬ることはなく、兵士長ヒルゴは硬直していた。
何が起きたのか理解できないでいると、隣にいたリオナが話す。
「反応的に、ヒルゴ様を魔法で洗脳しませんでしたか。調べられたら証拠が出る行為を、ウルクはしたくないみたいですね」
リオナは杖を取り出し、魔力による盾でヒルゴの攻撃を防いでくれたようだ。
助かったことに安堵して……リオナの計画通りになっていると、この時の俺は何も知らなかった。
ランアス国でリオナの次に優秀な魔法使いヒルゴでも、魔法王子ウルクを倒せなかった。
エルノアを連れ戻すことができず、最悪の事態だと思うしかない。
茫然としていたせいで、俺は正面にいるヒルゴの行動に反応できなかった。
「ウルク王子は恐ろしい方です。あんな目に合ったのに、これから私は処罰される――全て陛下のせいだ!」
ヒルゴが頭を抱えて苦しんだと思えば、話ながら一気に俺との距離を詰めてくる。
錯乱したヒルゴは俺を消すために動き、早過ぎて反応することができない。
剣で斬られて――俺の人生が終わる。
そう確信していたのに刃が俺の体を斬ることはなく、兵士長ヒルゴは硬直していた。
何が起きたのか理解できないでいると、隣にいたリオナが話す。
「反応的に、ヒルゴ様を魔法で洗脳しませんでしたか。調べられたら証拠が出る行為を、ウルクはしたくないみたいですね」
リオナは杖を取り出し、魔力による盾でヒルゴの攻撃を防いでくれたようだ。
助かったことに安堵して……リオナの計画通りになっていると、この時の俺は何も知らなかった。
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