何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします

天宮有

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第14話

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 私はウルクから、部屋でランアス国の現状について聞いている。
 一番予想外だったのは、王妃となったリオナの活躍だ。

 前線に出て広範囲を攻撃できる魔法を繰り出し、モンスター達を蹴散らしていく。
 王妃のリオナ1人でランアス国にいる全ての兵士よりも成果を出しているみたいだけど、そんな活躍は異質だ。

「私はリオナの魔法を見たことがありますけど、大したことありませんでした」
「そうか……有名な魔法使いなら二―ルド国でも話題になるはずだから、気になっていたんだ」

 結界を失った後リオナでは何もできないと思っていたけど、言うだけの実力があったのだろうか?
 それなら兵士達のように私が結界を消したことによる反動を受けて弱っているはずなのに、活躍しているのが理解できない。

 困惑していると、ウルクが話す。

「エルノアの結界の中にいる敵は力が弱まり、味方は力が向上するのは知っている。力の向上は限界を超えることができるようになるから、リオナは今まで実力を隠していたのかもしれない」
「なるほど……どうして実力を隠していたのかはわかりませんけど、それなら納得できます」

 ウルクの推測を聞き、私は頷く。
 今まで実力を隠していたのなら、結界を失った際の反動を受けることはない。
 そして――私は、ドスラの発言を思い出す。

 私を「何もできない王妃」と言ったのはリオナで、今は王妃となっている。
 もしかしたら……王妃となったリオナは、こうなることを望んでいたのかもしれない。
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