何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします

天宮有

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第13話

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 私がランアス国から出て行き、2ヶ月が経っていた。

 ウルクに王都や周辺の街を案内してもらい、楽しい時間は過ぎていく。
 ニールド王家としても、危険な場所へよく行くウルクと一緒に行動できる人がいることに安堵しているようだ。

 今日は城の部屋にいて、ウルクがランアス国について話したいことがあるらしい。
 宰相サウスが戻ったことは聞いたけど、ランアス国は私の張っていた結界を失い大変なようだ。

「予想していた通り、ランアス国は大惨事となっている」
「はい。結界の力で弱っていたモンスターが元に戻り、強くなったと錯覚して街や村を襲っているみたいですね」

 そして国民は私の結界で強化されていたから、その力を失った反動で弱まっている。
 不調になった時点でかなりの人が国を捨てて、ランアス国の評判はかなり落ちているようだ。

「エルノアの力が大きかったのに、国王のドスラが愚かだった結果だ」
「そうですね……あの、ウルク様は何か、気になることがあるのでしょうか?」

 今日はウルクが報告を聞き、部屋で私に話してくれる。
 ランアス国の惨状は当然だと思っているけど、ウルクが困惑しているのが気になってしまった。

 私が尋ねると、ウルクが頷いて話す。

「顔に出てしまったか……ランアス国で起きたモンスターとの戦いについて聞いたが、新しく王妃となったリオナの活躍が異常なんだ」
「……えっ?」

 私が王妃だった時には側妃だったリオナが、今は王妃となり前線に出て活躍しているようだ。

 魔法の実力を知っているから、私は今までリオナでは何もできないと思ってしまう。
 ウルクから話を聞いて、私も困惑するしかなかった。
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