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第8話

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 数日が経ち、私はウルクに案内されてニールド国の城に到着していた。

 私は移動手段に馬を使っていたけど、ウルクは魔法による高速移動ができることに驚いてしまう。
 地面から少し浮いて滑るように動き、馬の速度に合わせてくれたけど……全力なら、城から数時間で世界樹のある森まで来られるようだ。

 城に入る前に、私はウルクに謝る。

「時間がかかってしまい、申し訳ありません」
「馬ならこれが普通の速度だ。俺としてはエルノアと並走できて楽しかった」
「そ、そうですか……」

 ウルクは余裕があったから、移動中は二―ルド国について様々なことを話してくれる。
 その話が興味深くて私は聞き入っていたけど、こうして一緒にいてくれる人がいるのはウルクとしても嬉しいようだ。

 謝ってしまうとお礼を言われたから、私は顔が赤くなってしまう。
 そんな様子を眺めたウルクが、今までの出来事を話してくれた。

「俺が魔法で移動すると、大半の者から恐怖されてしまう……家族以外で気にしなかったのは、エルノアがはじめてだ」
「そうなんですか?」
「ああ。衝突してしまった場合を考えてしまうようでな、仕方ないのかもしれない」

 ウルクが魔法を制御できているのは見たらわかるけど、大半の魔法使いは知ることができない。
 発言に納得しながら、私はウルクに案内され城の中に入ろうとしていた。

■◇■◇■◇■◇■

 私は玉座の間に案内されて……そこにはウルクのお父様、二―ルド陛下がいた。

 二―ルド王はウルクの話を聞き驚いた後、私を眺めて告げる。

「エルノアよ。私は貴方を歓迎しよう」
「は、はい……本当に、よろしいのですか?」
「構わない。ウルクと一緒にいられる者は珍しいから、私としても貴方には城に住んで欲しい!」

 不安になってしまった私に対して、ニールド王は力強く断言してくれる。
 今までウルクから話を聞き察していたけど、魔法王子と呼ばれているウルクと関われる人は家族以外にいなかったようだ。

 拒む理由はなくて――これから私は、二―ルド国で暮らそうとしていた。
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