愛することをやめた令嬢は、他国へ行くことにしました

天宮有

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第62話

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 リザがドラゴンを従えて戦うけど、私達は問題なく倒すことに成功していた。

 ドラゴンは禁魔法で強くなっていたけど、レインが傍にいるから恐怖はない。
 呆然としているリザに、私は魔法で倒そうとしている。

「ドラゴンも倒し、私との差は理解できたでしょう……どうしますか?」

 移動魔法で逃げるかと思ったけど、リザは逃げようとしない。
 その行動は元妹の私に負けを認めることとなって、絶対に嫌なようだ。

「まだよ! ダーロス殿下に使うなと言われていたけど、リーゼには負けたくないもの!!」

 そう叫んで、リザの足下に魔方陣が広がる。
 それと同時に膨大な魔力を得ようとして――リザは、悲痛そうな声を漏らす。

「うぅっっ!? どうして、リーゼを上回る魔力を得ようとしただけなのに!?」

「あれは魔力を得る禁魔法だ。リーゼ以上の魔力をリザが得ようとした結果、制御できなくなっている」

 レインが言うには――魔力を好きなだけ得られる禁魔法だけど、限度を超えると命を落とすようだ。

 異界から得た膨大な魔力をリザは制御できず、私を眺めて叫ぶ。

「リーゼ! 今までのことは全て謝るから――私を助けて!!」

 元姉リザは私に助けを求めるぐらい取り乱しているけど、なにもできることはない。
 魔力を抑えきれなくなり――私の目の前で、リザは消滅していた。
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