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第59話

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 冒険者ギルドで依頼を受けた私は、ドラゴンを探していた。
 ドラゴンを倒すいつものことだけど――今日は、様子が変だ。

「依頼書にはドラゴンの目撃情報があったのに、現れる気配がないな」

「はい……私達の魔力を察知して、今までなら何もしなくても勝手に現れていました」

 ドラゴンは魔力を察知することができて、人を見たら襲いかかる。
 異界から突如発生して、行動範囲は決まっているけど……見当たらないことに驚いてしまう。

「あの巨体で、行動範囲も決まっている……行動範囲が変わるのは、人と関わらなくなった時だけだ」

「現れたばかりだと思いますけど、見間違いだったとかなのでしょうか?」

 ラーグ国の冒険者ギルドには、ドラゴンを観測する人がいる。
 異界から現れたドラゴンを見つけた瞬間に、即座に依頼を出しているようだ。

 それはラーグ国に住む貴族の人達が決めたことで、倒したドラゴンの肉体は重宝される。
 私は観測した人が見間違えた可能性を話した時――正面から、声が聞こえた。

「――リーゼ、よく生きていたわね」

 聞き覚えのある声がして、私は全身を震わせる。
 私の目の前に――元姉リザが、現れていた。
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