愛することをやめた令嬢は、他国へ行くことにしました

天宮有

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第17話

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 私はドラゴンと遭遇してすぐに、反射的に魔法で魔力の閃光を放った。
 威力よりも速度を重視していたはずなのに、膨大な魔力を宿したドラゴンが一撃で倒れている。
 ラーグ国で一番危険な依頼を達成できて……私は、唖然としながら呟く。

「これで……依頼は、終了ですか?」

「いや、このドラゴンを運ぶ必要がある」

 私よりも冷静なレインに驚くけど、今までの発言を思い返す。
 レインは私の実力を信じていたから、当然の結果だと考えていそう。

「それなら、移動魔法で運びましょう」

 私が提案すると、冷静だったレインが驚いた。

「いや……これは相当な質量だが、大丈夫なのか?」

 討伐したドラゴンの全長は、レイン10人分ぐらいはありそうだ。
 重さはレイン35人分ぐらいと推測していているようで、移動魔法を使うと今まで以上に魔力を消費することとなる。

「これからもドラゴンを討伐する機会があると思いますし、試したいと思います」

 移動魔法を試して、無理そうな魔力で浮かして運ぶこととなる。
 レインが心配しているけど、私は試すことにしていた。

「この山地から冒険者ギルドまでもかなりの距離だが、試す必要はあるか」

「大きさが大きさですから、街から離れた場所に移動します」

「その方がいいだろう……近くにいる者は、驚くことになりそうだ」 

 冒険者登録をした際に受け取るカードには、倒した魔物の情報が記録されるからドラゴンを倒した証明になる。
 街の門番をしている人は冒険者ギルドの関係者みたいだから、事情を説明すれば後のことは任せてもいいようだ。

 私は街の外を強く意識して、移動魔法を使う。
 問題なく私とレイン、倒したドラゴンが一瞬で街の近くまで移動した。

 その行動によって――ラーグ国の冒険者ギルドで、騒ぎになろうとしていた。
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