愛することをやめた令嬢は、他国へ行くことにしました

第１５話

　ラーグ国の依頼を達成した後で、レインは家を購入するようだ。

　レインは私と一緒に住む家だから、私と一緒に考えて購入したいと言ってくれる。
　それが嬉しくて……私は、依頼を早急に終わらせたいと思っていた。

■◇■◇■◇■◇■

　私達はラーグ国に到着して、冒険者ギルドの中に入る。

　バディア国の冒険者ギルドとあまり変わらず、私達は依頼を選ぼうとしていた。
　依頼書の張り出された掲示板を眺めて、レインが私に話す。

「一番危険そうなのは、ドラゴンの討伐依頼か……俺達なら問題ない」

「はい。無理そうなら移動魔法で撤退しましょう」

　ドラゴンの強さは、噂だけ知っているけどとんでもないようだ。
　それでもレインは普通に討伐依頼を受けようとしているから、大丈夫だと確信している。

　レインと私が依頼書を受付に持っていくと、受付の人が驚いた声を出す。

「えっ！？　あの、バディア国で活躍された方でも……この依頼は、２人では無理だと思います」

「無理そうなら諦めるし、その場合に支払う金も所持している……試させて欲しい」

　依頼を受ける時に、冒険者は依頼に応じて少額だけど金を払う必要がある。
　それは達成できれば返ってくるけど、諦めた場合は返ってこないようだ。

　レインの発言を聞いて、受付の人は納得する。
　最初から失敗前提だと思っていそうだけど、私とレインは問題ないと思っていた。

　そして私達は――ラーグ国に来て、最初の依頼を受けようとしていた。