愛することをやめた令嬢は、他国へ行くことにしました

第１１話

　私がローティア公爵家を捨てた翌日、私は宿の部屋にレインを呼んでいる。

「ラーグ国に行く前に、話しておきたいことがあるようだな」

　レインが尋ねて、私は頷く。

「はい……私の魔法に関することです」

　私は昨日から今まで、変身魔法で成長した見た目になっていた。
　これからは変身魔法を使わない方がいいのなら、今から元の姿でいたい。
　
　本来なら、昨日ギルドマスターがいる時に見せるべきだった。
　私は今まで躊躇ってしまったのは――本当の姿を見せて、対応が変わってしまうのではないかと恐怖したからだ。

　それでも……レインには、私の本当の姿を見て欲しい。
　そう考えて変身魔法を解き、私の推測で１８歳ぐらいだった見た目が元の１４歳になっている。

「これが、変身魔法を解いた私の姿です」

「そうか。やはり変身魔法を使っていたことで、使える魔力が制限されているようだ」

「……えっ？」

　私は普段通りに話すレインに、驚いてしまう。
　
「あの、私の見た目が変わっているのですけど……」

　思わず尋ねてしまうと、レインが少し顔を赤くして返答する。

「俺はリーゼだから一緒にいたいと想っている。それに……その見た目も、可愛いな」

　最初は断言してくれたけど、後の発言はかなり言い淀んでいた。

「レイン……ありがとうございます」

「その魔力なら、どんな依頼も余裕で達成できそうだ。ラーグ国に行くとしよう」

　私がお礼を伝えて、レインがこれからのことを話してくれる。
　元の見た目に戻った私は、本来の実力を発揮することができるようになっていた。