婚約者を奪われた私が悪者扱いされたので、これから何が起きても知りません

天宮有

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第22話

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ザノーク視点

 時間は数日前まで遡り、俺はシレッサ子爵家の屋敷に来ていた。

 シレッサ子爵領では様々な問題が発生して、対処ができていない。
 俺の魔法道具が原因で、更なる問題も発生したと聞いている。
 最悪の事態になって……シレッサ子爵家の領主が、部屋で呟く。

「カルラの提案を聞いていれば、全て対処できたはずだ」

 もう何度も同じことを聞いているが、それ程までに後悔しているようだ。
 カルラの提案は、全て先に起こる出来事を想定していた。
 そこまで考えて――俺は今後の行動を思いつき、領主に提案する。

「カルラ――そうだ! カルラに助けを求めましょう!!」

「それは、もう遅いでしょう」

「わかっています。行動させた後で、全てカルラが悪かったと思わせます」

 そうすれば、全てアーバス侯爵家のせいにできるかもしれない。
 問題を対処できればそれで構わないが、無理だと俺でもわかってしまう。
 俺の目的は――カルラに協力させて、全てアーバス侯爵家のせいにすることだった。
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