18 / 26
第18話
しおりを挟む
ザノーク視点
シレッサ子爵家の屋敷の一番広い部屋で、俺とシレッサ家の全員が集まっていた。
俺はカルラを眺めて、事前に決めていた通りに叫ぶ。
「カルラは非常識だから、俺はミーファを婚約者にする」
「ザノーク様……私を非常識と言いましたけど、詳しく話してくれませんか?」
「言われないとわからないか! 学園には不登校で常に遊んでいるお前より、常識のあるミーファを婚約者にしたいと考えるのは当然だろう!」
俺はシレッサ家の領主から、カルラは遊んでいると聞いていた。
カルラに詳しく話を聞くことはせず、領主の発言を俺は信じてしまう。
そしてカルラは、そんな俺に説明をしようとしていた。
「あの、学園に通っていない間、私はシレッサ領を――」
「――全てお姉様が悪いのに見苦しいです! お姉様はこれから、リック様の婚約者になってもらいます!」
「これからお前はアーバス侯爵家のカルラとなる。何か問題を起こしたとしても、私達シレッサ家には関係のないことだ」
俺はシレッサ家の領主とミーファから話を聞き、今日の行動を決めている。
これでカルラを捨てることができて、アーバス侯爵家から金を得ることができるようだ。
話を聞いて、カルラが話す。
「それなら出て行く前に、これからこの領地で発生しそうな問題を話して――」
「――もうカルラは無関係だ! 家のことに関わろうとするな!!」
シレッサ家の領主が叫び、カルラは何も言えなくなっている。
その後リックが来てからカルラが再び何か言おうとしたが、俺達は聞く気がない。
そして――これから俺達は、カルラの話を聞かなかったことを後悔することとなる。
シレッサ子爵家の屋敷の一番広い部屋で、俺とシレッサ家の全員が集まっていた。
俺はカルラを眺めて、事前に決めていた通りに叫ぶ。
「カルラは非常識だから、俺はミーファを婚約者にする」
「ザノーク様……私を非常識と言いましたけど、詳しく話してくれませんか?」
「言われないとわからないか! 学園には不登校で常に遊んでいるお前より、常識のあるミーファを婚約者にしたいと考えるのは当然だろう!」
俺はシレッサ家の領主から、カルラは遊んでいると聞いていた。
カルラに詳しく話を聞くことはせず、領主の発言を俺は信じてしまう。
そしてカルラは、そんな俺に説明をしようとしていた。
「あの、学園に通っていない間、私はシレッサ領を――」
「――全てお姉様が悪いのに見苦しいです! お姉様はこれから、リック様の婚約者になってもらいます!」
「これからお前はアーバス侯爵家のカルラとなる。何か問題を起こしたとしても、私達シレッサ家には関係のないことだ」
俺はシレッサ家の領主とミーファから話を聞き、今日の行動を決めている。
これでカルラを捨てることができて、アーバス侯爵家から金を得ることができるようだ。
話を聞いて、カルラが話す。
「それなら出て行く前に、これからこの領地で発生しそうな問題を話して――」
「――もうカルラは無関係だ! 家のことに関わろうとするな!!」
シレッサ家の領主が叫び、カルラは何も言えなくなっている。
その後リックが来てからカルラが再び何か言おうとしたが、俺達は聞く気がない。
そして――これから俺達は、カルラの話を聞かなかったことを後悔することとなる。
20
お気に入りに追加
1,206
あなたにおすすめの小説

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない
ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。
ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。
ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。
ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。

愛を知らないアレと呼ばれる私ですが……
ミィタソ
恋愛
伯爵家の次女——エミリア・ミーティアは、優秀な姉のマリーザと比較され、アレと呼ばれて馬鹿にされていた。
ある日のパーティで、両親に連れられて行った先で出会ったのは、アグナバル侯爵家の一人息子レオン。
そこで両親に告げられたのは、婚約という衝撃の二文字だった。

「最初から期待してないからいいんです」家族から見放された少女、後に家族から助けを求められるも戦勝国の王弟殿下へ嫁入りしているので拒否る。
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢に仕立て上げられた少女が幸せなるお話。
主人公は聖女に嵌められた。結果、家族からも見捨てられた。独りぼっちになった彼女は、敵国の王弟に拾われて妻となった。
小説家になろう様でも投稿しています。

初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。


【完結】私を虐げた継母と義妹のために、素敵なドレスにして差し上げました
紫崎 藍華
恋愛
キャロラインは継母のバーバラと義妹のドーラから虐げられ使用人のように働かされていた。
王宮で舞踏会が開催されることになってもキャロラインにはドレスもなく参加できるはずもない。
しかも人手不足から舞踏会ではメイドとして働くことになり、ドーラはそれを嘲笑った。
そして舞踏会は始まった。
キャロラインは仕返しのチャンスを逃さない。

兄にいらないと言われたので勝手に幸せになります
毒島醜女
恋愛
モラハラ兄に追い出された先で待っていたのは、甘く幸せな生活でした。
侯爵令嬢ライラ・コーデルは、実家が平民出の聖女ミミを養子に迎えてから実の兄デイヴィッドから冷遇されていた。
家でも学園でも、デビュタントでも、兄はいつもミミを最優先する。
友人である王太子たちと一緒にミミを持ち上げてはライラを貶めている始末だ。
「ミミみたいな可愛い妹が欲しかった」
挙句の果てには兄が婚約を破棄した辺境伯家の元へ代わりに嫁がされることになった。
ベミリオン辺境伯の一家はそんなライラを温かく迎えてくれた。
「あなたの笑顔は、どんな宝石や星よりも綺麗に輝いています!」
兄の元婚約者の弟、ヒューゴは不器用ながらも優しい愛情をライラに与え、甘いお菓子で癒してくれた。
ライラは次第に笑顔を取り戻し、ベミリオン家で幸せになっていく。
王都で聖女が起こした騒動も知らずに……

もっと傲慢でいてください、殿下。──わたしのために。
ふまさ
恋愛
「クラリス。すまないが、今日も仕事を頼まれてくれないか?」
王立学園に入学して十ヶ月が経った放課後。生徒会室に向かう途中の廊下で、この国の王子であるイライジャが、並んで歩く婚約者のクラリスに言った。クラリスが、ですが、と困ったように呟く。
「やはり、生徒会長であるイライジャ殿下に与えられた仕事ですので、ご自分でなされたほうが、殿下のためにもよろしいのではないでしょうか……?」
「そうしたいのはやまやまだが、側妃候補のご令嬢たちと、お茶をする約束をしてしまったんだ。ぼくが王となったときのためにも、愛想はよくしていた方がいいだろう?」
「……それはそうかもしれませんが」
「クラリス。まだぐだぐだ言うようなら──わかっているよね?」
イライジャは足を止め、クラリスに一歩、近付いた。
「王子であるぼくの命に逆らうのなら、きみとの婚約は、破棄させてもらうよ?」
こう言えば、イライジャを愛しているクラリスが、どんな頼み事も断れないとわかったうえでの脅しだった。現に、クラリスは焦ったように顔をあげた。
「そ、それは嫌です!」
「うん。なら、お願いするね。大丈夫。ぼくが一番に愛しているのは、きみだから。それだけは信じて」
イライジャが抱き締めると、クラリスは、はい、と嬉しそうに笑った。
──ああ。何て扱いやすく、便利な婚約者なのだろう。
イライジャはそっと、口角をあげた。
だが。
そんなイライジャの学園生活は、それから僅か二ヶ月後に、幕を閉じることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる