婚約者を奪われた私が悪者扱いされたので、これから何が起きても知りません

天宮有

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第10話

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リック視点

 レアスには、まだ聞きたいことがあった。

「シレッサ子爵領を、レアスは調べていたな」

「それは先ほど、カルラ様がいた時に話しましたけど――」

「――カルラには、話さなかったことがあるだろう」

 俺も数日間は調べていたから、シレッサ子爵家の領主は愚かだと理解している。
 レアスなら、もっと詳しく知ることができただろう。
 カルラがいた時には、話したくなかったのだと俺は推測した。

「鋭いですね。シレッサ子爵家の話を、カルラ様の前であまりするべきではないと判断しました」

「カルラとしては家族とはもう関わりたくないと言っていたが、それでも一応は家族だ」

「はい――このままいけば、シレッサ子爵家は没落するでしょう」

 そう言って、レアスが詳しく話す。
 これから魔力による災害が発生して、シレッサ子爵家は何も対策をとっていない。
 他の貴族達は一応対策できているからこそ、何も対策していない場所で問題が発生するようだ。

「十年前に起きた魔力による自然災害……備えていても幾つも貴族が没落したから、普通は対策をとるはずだ」

「それでも、備えようとしない者も存在します。シレッサ子爵家が没落したとしても、自業自得でしょう」

 レアスの発言を聞き、俺も同意見だ。
 その後――シレッサ子爵家で、問題が発生することとなる。
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