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第7話
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数時間が経って――問題の発生している場所に、私達は到着した。
草原に現れていた複数の植物型モンスターを、私とリックが魔法を使い排除していく。
夕方には全て終わったけど、私とリックは別荘で泊まることにしていた。
私は別荘の中に案内されて、リックがこれからについて話してくれる。
「モンスターは他の場所にも発生しているようだから、今日は屋敷に戻らないが……構わないか?」
「はい。何も問題ありません」
別荘はリックがいつ来ても対応できるよう、人が住んでいるようだ。
私のことも紹介されているようで、部屋に案内してくれる。
その後はリックと食事をとって――食卓で私は、今日の出来事を思い返していた。
植物型モンスターを、リックは魔法を使い即座に対処できている。
私も協力して今後は発生しないようにできたけど、リックの凄さに驚いてしまう。
魔法学園に通っていないけど、リックが優秀な魔法使いとレアスから聞いている。
今日は実際に魔法を眺めて、私はリックに本心を話したかった。
「リック様の魔法は、とても素晴らしかったです」
「そ、そうだろうか……カルラの魔法も、とてもよかった」
私が本心を話すと、リックは照れながら微笑む。
束縛侯爵と呼ばれるぐらいの行動をとっているのに、私の発言に動揺しているようだ。
今までの婚約者はすぐ屋敷を去っているから、リックは束縛令息と悪い意味で有名になってしまう。
リックは優しくて素敵で――これが、本来のリックに違いない。
「リック様がいるから、アーバス侯爵領の人達も安心でしょう」
「そうだといいが……俺は、俺にできることをしているだけだ」
「はい。私もこれから、アーバス侯爵領のために行動したいです」
そう言って私が微笑むと、リックも笑顔を浮かべている。
この日常がずっと続いて欲しいと、私は想っていた。
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「はい。何も問題ありません」
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私が本心を話すと、リックは照れながら微笑む。
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今までの婚約者はすぐ屋敷を去っているから、リックは束縛令息と悪い意味で有名になってしまう。
リックは優しくて素敵で――これが、本来のリックに違いない。
「リック様がいるから、アーバス侯爵領の人達も安心でしょう」
「そうだといいが……俺は、俺にできることをしているだけだ」
「はい。私もこれから、アーバス侯爵領のために行動したいです」
そう言って私が微笑むと、リックも笑顔を浮かべている。
この日常がずっと続いて欲しいと、私は想っていた。
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