51 / 55
第51話
しおりを挟む
ラウドが1度約束を破ってから、数ヶ月が経っていた。
国王が慰謝料を支払ったからか、ラウドが私に関わってくることはなくなっている。
今日は屋敷にザダムを招待して、今までのことを話し合っていた。
「どうやら私は、魔法学園でかなり有名になっているようです」
「学年1位なら当然だ。来月から2年生になるが、キャシーの実力なら何も問題ないだろう」
「はい。ザダム様が教えてくださるからこそです」
こうしてザダムと話している時が、1番幸せだ。
魅了魔法は調査中だけど、クノレラが使っていることはわかっている。
調査していけば、証拠を入手することがきでるはずだ。
そう考えていた時、応接室の扉が開いて執事が入ってくる。
「ラウド殿下が、キャシー様と会いたいようです」
「……えっ?」
報告を聞き、私は唖然としてしまう。
誓約書があるのに、ラウドは屋敷まで来たようだ。
「ラウド殿下は、誓約書のことを忘れたのか?」
「それは、ないと思いますけど……相手が王子ですし、追い払うわけにはいきません」
応接室に案内するよう執事の人に伝えると、ザダムが私を眺めて話す。
「俺が証人になろう。これによって国王は、更に慰謝料を払わなければならなくなるだろう」
ザダムの発言を聞いて、私は頷く。
もし理由が重要なものなら、国王が来ていそうだ。
ラウドが来ただけなら、理由は大したことがない気がする。
ザダムが傍にいてくれるから、私に恐怖心はなかった。
国王が慰謝料を支払ったからか、ラウドが私に関わってくることはなくなっている。
今日は屋敷にザダムを招待して、今までのことを話し合っていた。
「どうやら私は、魔法学園でかなり有名になっているようです」
「学年1位なら当然だ。来月から2年生になるが、キャシーの実力なら何も問題ないだろう」
「はい。ザダム様が教えてくださるからこそです」
こうしてザダムと話している時が、1番幸せだ。
魅了魔法は調査中だけど、クノレラが使っていることはわかっている。
調査していけば、証拠を入手することがきでるはずだ。
そう考えていた時、応接室の扉が開いて執事が入ってくる。
「ラウド殿下が、キャシー様と会いたいようです」
「……えっ?」
報告を聞き、私は唖然としてしまう。
誓約書があるのに、ラウドは屋敷まで来たようだ。
「ラウド殿下は、誓約書のことを忘れたのか?」
「それは、ないと思いますけど……相手が王子ですし、追い払うわけにはいきません」
応接室に案内するよう執事の人に伝えると、ザダムが私を眺めて話す。
「俺が証人になろう。これによって国王は、更に慰謝料を払わなければならなくなるだろう」
ザダムの発言を聞いて、私は頷く。
もし理由が重要なものなら、国王が来ていそうだ。
ラウドが来ただけなら、理由は大したことがない気がする。
ザダムが傍にいてくれるから、私に恐怖心はなかった。
21
お気に入りに追加
1,440
あなたにおすすめの小説
自称地味っ子公爵令嬢は婚約を破棄して欲しい?
バナナマヨネーズ
恋愛
アメジシスト王国の王太子であるカウレスの婚約者の座は長い間空席だった。
カウレスは、それはそれは麗しい美青年で婚約者が決まらないことが不思議でならないほどだ。
そんな、麗しの王太子の婚約者に、何故か自称地味でメガネなソフィエラが選ばれてしまった。
ソフィエラは、麗しの王太子の側に居るのは相応しくないと我慢していたが、とうとう我慢の限界に達していた。
意を決して、ソフィエラはカウレスに言った。
「お願いですから、わたしとの婚約を破棄して下さい!!」
意外にもカウレスはあっさりそれを受け入れた。しかし、これがソフィエラにとっての甘く苦しい地獄の始まりだったのだ。
そして、カウレスはある驚くべき条件を出したのだ。
これは、自称地味っ子な公爵令嬢が二度の恋に落ちるまでの物語。
全10話
※世界観ですが、「妹に全てを奪われた令嬢は第二の人生を満喫することにしました。」「元の世界に戻るなんて聞いてない!」「貧乏男爵令息(仮)は、お金のために自身を売ることにしました。」と同じ国が舞台です。
※時間軸は、元の世界に~より5年ほど前となっております。
※小説家になろう様にも掲載しています。
幼馴染み同士で婚約した私達は、何があっても結婚すると思っていた。
メカ喜楽直人
恋愛
領地が隣の田舎貴族同士で爵位も釣り合うからと親が決めた婚約者レオン。
学園を卒業したら幼馴染みでもある彼と結婚するのだとローラは素直に受け入れていた。
しかし、ふたりで王都の学園に通うようになったある日、『王都に居られるのは学生の間だけだ。その間だけでも、お互い自由に、世界を広げておくべきだと思う』と距離を置かれてしまう。
挙句、学園内のパーティの席で、彼の隣にはローラではない令嬢が立ち、エスコートをする始末。
パーティの度に次々とエスコートする令嬢を替え、浮名を流すようになっていく婚約者に、ローラはひとり胸を痛める。
そうしてついに恐れていた事態が起きた。
レオンは、いつも同じ令嬢を連れて歩くようになったのだ。
心から愛しているあなたから別れを告げられるのは悲しいですが、それどころではない事情がありまして。
ふまさ
恋愛
「……ごめん。ぼくは、きみではない人を愛してしまったんだ」
幼馴染みであり、婚約者でもあるミッチェルにそう告げられたエノーラは「はい」と返答した。その声色からは、悲しみとか、驚きとか、そういったものは一切感じられなかった。
──どころか。
「ミッチェルが愛する方と結婚できるよう、おじさまとお父様に、わたしからもお願いしてみます」
決意を宿した双眸で、エノーラはそう言った。
この作品は、小説家になろう様でも掲載しています。
聖人な婚約者は、困っている女性達を側室にするようです。人助けは結構ですが、私は嫌なので婚約破棄してください
香木あかり
恋愛
私の婚約者であるフィリップ・シルゲンは、聖人と称されるほど優しく親切で慈悲深いお方です。
ある日、フィリップは五人の女性を引き連れてこう言いました。
「彼女達は、様々な理由で自分の家で暮らせなくなった娘達でね。落ち着くまで僕の家で居候しているんだ」
「でも、もうすぐ僕は君と結婚するだろう?だから、彼女達を正式に側室として迎え入れようと思うんだ。君にも伝えておこうと思ってね」
いくら聖人のように優しいからって、困っている女性を側室に置きまくるのは……どう考えてもおかしいでしょう?
え?おかしいって思っているのは、私だけなのですか?
周囲の人が彼の行動を絶賛しても、私には受け入れられません。
何としても逃げ出さなくては。
入籍まであと一ヶ月。それまでに婚約破棄してみせましょう!
※ゆる設定、コメディ色強めです
※複数サイトで掲載中
あ、すみません。私が見ていたのはあなたではなく、別の方です。
秋月一花
恋愛
「すまないね、レディ。僕には愛しい婚約者がいるんだ。そんなに見つめられても、君とデートすることすら出来ないんだ」
「え? 私、あなたのことを見つめていませんけれど……?」
「なにを言っているんだい、さっきから熱い視線をむけていたじゃないかっ」
「あ、すみません。私が見ていたのはあなたではなく、別の方です」
あなたの護衛を見つめていました。だって好きなのだもの。見つめるくらいは許して欲しい。恋人になりたいなんて身分違いのことを考えないから、それだけはどうか。
「……やっぱり今日も格好いいわ、ライナルト様」
うっとりと呟く私に、ライナルト様はぎょっとしたような表情を浮かべて――それから、
「――俺のことが怖くないのか?」
と話し掛けられちゃった! これはライナルト様とお話しするチャンスなのでは?
よーし、せめてお友達になれるようにがんばろう!
婚約者に「愛することはない」と言われたその日にたまたま出会った隣国の皇帝から溺愛されることになります。~捨てる王あれば拾う王ありですわ。
松ノ木るな
恋愛
純真無垢な心の侯爵令嬢レヴィーナは、国の次期王であるフィリベールと固い絆で結ばれる未来を夢みていた。しかし王太子はそのような意思を持つ彼女を生意気と見なして疎み、気まぐれに婚約破棄を言い渡す。
伴侶と寄り添う心穏やかな人生を諦めた彼女は悲観し、井戸に身を投げたのだった。
あの世だと思って辿りついた先は、小さな貴族の家の、こじんまりとした食堂。そこには呑めもしないのに酒を舐め、身分社会に恨み節を唱える美しい青年がいた。
どこの家の出の、どの立場とも知らぬふたりが、一目で恋に落ちたなら。
たまたま出会って離れていてもその存在を支えとする、そんなふたりが再会して結ばれる初恋ストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる