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第35話
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プラントモンスター本体との戦いは、防戦一方だった。
目的は本体の魔力を突き刺せて、生態活動を停止した核を調査することにある。
それをして欲しくないからこそ、作った者は核に魔道具を取りつけていた。
無力化するには私が触れて解除するしかないけど、ゼロア様も一緒に行くと告げる。
そして――私を説得するため、ゼロア様が私を婚約者だと言った。
今まで客人扱いだったのに、婚約者だとこの場で言われたことで、私は賛同してしまう。
「わ、わかりました……それでも、タイミングは私が伝えます」
「わかった。共に行こう」
私を婚約者だと言ってから、ゼロア様は敬語でなくなっていた。
ワンドに話しているのと同じ……これが、素のゼロア様なのだとわかる。
「――行きます」
私とゼロア様が前進して、プラントモンスターが反応する。
仕留め辛いワンドよりも、私とゼロア様を早急に仕留めて、吸収するべきだと考えたのでしょう。
「ゼロア様!」
ワンドは自分の攻撃を対処しつつ、私とゼロア様に迫るツタを魔法で弾き飛ばす。
それでもツタの量が多く――ワンドが叫び、ゼロア様が動く。
「私が全て防ぐから、シーラは魔法に集中してくれ」
ゼロア様が炎の魔法を使い、ツタによる攻撃を防いでいた。
鋭く早い攻撃が霞めて血を流しているけど、治すより敵を無力化した方が早い。
「これで終わりです」
私はプラントモンスターが纏っている魔法道具に魔法を使い、機能を少し変更する。
自壊することを不可能にして、プラントモンスターに対しての命令を止めた。
そして――魔力が尽きたのかツタが消滅して、モンスターは小さな植物の種になっていた。
目的は本体の魔力を突き刺せて、生態活動を停止した核を調査することにある。
それをして欲しくないからこそ、作った者は核に魔道具を取りつけていた。
無力化するには私が触れて解除するしかないけど、ゼロア様も一緒に行くと告げる。
そして――私を説得するため、ゼロア様が私を婚約者だと言った。
今まで客人扱いだったのに、婚約者だとこの場で言われたことで、私は賛同してしまう。
「わ、わかりました……それでも、タイミングは私が伝えます」
「わかった。共に行こう」
私を婚約者だと言ってから、ゼロア様は敬語でなくなっていた。
ワンドに話しているのと同じ……これが、素のゼロア様なのだとわかる。
「――行きます」
私とゼロア様が前進して、プラントモンスターが反応する。
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「ゼロア様!」
ワンドは自分の攻撃を対処しつつ、私とゼロア様に迫るツタを魔法で弾き飛ばす。
それでもツタの量が多く――ワンドが叫び、ゼロア様が動く。
「私が全て防ぐから、シーラは魔法に集中してくれ」
ゼロア様が炎の魔法を使い、ツタによる攻撃を防いでいた。
鋭く早い攻撃が霞めて血を流しているけど、治すより敵を無力化した方が早い。
「これで終わりです」
私はプラントモンスターが纏っている魔法道具に魔法を使い、機能を少し変更する。
自壊することを不可能にして、プラントモンスターに対しての命令を止めた。
そして――魔力が尽きたのかツタが消滅して、モンスターは小さな植物の種になっていた。
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