妹の方がいいと婚約破棄を受けた私は、辺境伯と婚約しました

第１８話

ソフィ―視点

　私と隣にいるお父様は、魔法学園の理事長の発言が信じられなかった。

「魔法学園がホトルクス家に支援を行わないだと！？　どれだけの費用を学園に払っていると思っている！？」

「それは他の貴族の方々も同じです……ハッキリ言いましょう。魔法学園側は、ホトルクス家を特別扱いしていました」

　今まで温和だった反応が一変して、理事長は冷めた目を向ける。
　私やシーラに対しては優しかったのに……学園内で他の生徒に対しての反応と同じだ。

　急に変化を見せた理事長に対して、お父様が激怒する。

「なっ……それなら、これからもずっと特別扱いしろ！？」

　お父様が叫ぶけど――私は、理事長の発言で察することができていた。
　私が話しても納得しないだろうと考えていると、理事長が私を眺めて呟く。

「ソフィー様は理解できている様子ですね……魔法学園で主席の成績だったシーラ様だからこそ、支援していたのですよ」

「……なに？　どういうことだソフィー！？」

　お父様が叫んで、私は動揺するしかない。
　怒鳴られた経験が今までなくて、私は全身が大きく震えた。

　私は動機が収まらず、動揺しているのがよくわかる。
　今まで思い通りになっていたからこそ――お父様に怒鳴られたことが、完全に予想外だった。