婚約破棄が決まっているようなので、私は国を出ることにしました

天宮有

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第10話

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 私とラーサーはニールド国に戻り、数日が経っていた。

 1週間ぐらいの出来事だけど、ニールド国では問題が発生しているらしい。
 報告を聞いたラーサーが、部屋で私に話してくれる。
 どうやらランアス国で雇われた優秀な魔法使い達が、何故か城を調べているようだ。
 ここに私がいると知られていそうな気がして、ラーサーが話す。

「恐らく、エルノア様がここにいると知られてしまったようです」

「そうですね……それでも私は魔法道具で変装できていますし、問題ないのではないでしょうか?」

 ランアス国の惨状を確認すると、他国にも被害が出ていた。
 結界を調査するのも時間の問題で、そうなれば全てが発覚する。
 その後に私を捕らえても無意味だと考えていると、ラーサーが話す。

「俺もそう思いますが……それはドスラも把握していることなので、強引な手をとる可能性があります」

 私が変装しているけど、それはランアス国の刺客達も考えていそう。
 変装しているエルノアの可能性がある城の人を、刺客達は何人か選んで捕らえようとするかもしれない。
 ラーサーの推測を聞いて、私は話す。

「ドスラ達は時間がなくて焦っているはずなので、そこを利用しましょう」

 城の人達に迷惑をかけたくない私は、対処するために行動する。
 ランアス国の刺客達を対処できれば、ドスラ達は終わりだった。
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