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第4話
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ドスラ視点
時間は数ヶ月前まで遡り、俺はエルノアよりもリオナの方が好きだった。
エルノアと話している時もリオナの話ばかりしてしまい、それは学園内でも知られている。
そして――俺は捏造した罪で、エルノアを処罰しようと思いつく。
頻繁に城へ来てくれるリナスにそのことを話すと、賛同して計画を話す。
「お姉様は結界を強化しようと考えて、お父様に頼み魔法道具を調達しました。それを利用すれば、結界を破壊することができるはずです!」
結界に干渉するためには、国王の許可が必要となる。
エルノアは国の防衛力を強めるため、結界を強化したいと申し出た。
そして問題なく結界を強化できているが、今の内なら結界を破壊することができるようだ。
「なっっ……そんなことをすれば、大変なことになるのではないのか!?」
王子という立場だから、結界の重要性は知っている。
とんでもない提案を聞いて動揺しているが、リオナは冷静だった。
「放置すれば大変ですが、魔法使いの命を使うことで結界は直せます」
「結界の生贄か。優秀な魔法使いでなければ、何人も生贄が必要と聞いている」
「優秀な魔法使い――そして私達の邪魔になるエルノアお姉様を、結界の生贄にしましょう」
リオナは魔法の実力で、姉のエルノアと差があることを気にしている。
俺は励まして、次第にリオナのことが好きになっていく。
ここまでエルノアのことをリオナが嫌っていたことに、俺は驚きながら尋ねた。
「全てエルノアのせいにして、罰として結界の生贄にする……姉だが、リオナはそれでいいのか?」
「はい! ドスラ殿下と結婚できるのなら、エルノアお姉様は消すべきです!」
――リオナと結婚できる。
そのことを考えると、俺は無茶苦茶な計画にも賛同してしまう。
「わかった。これから結界を壊し、全てエルノアのせいにしよう!」
「はい! 父と母は私を溺愛しているので、間違いなく提案を聞いてくれます!」
エルノアは優秀で行動力があり、その行動力を家族は恐れているらしい。
魔法使いとしては並のリオナの方が、家族としては好きと聞いていた。
俺はリオナと話し合い、今後の行動を決める。
邪魔なエルノアは、結界の生贄として消してしまえばいい。
そんな計画を進めて――消えるのは、俺達の方だった。
時間は数ヶ月前まで遡り、俺はエルノアよりもリオナの方が好きだった。
エルノアと話している時もリオナの話ばかりしてしまい、それは学園内でも知られている。
そして――俺は捏造した罪で、エルノアを処罰しようと思いつく。
頻繁に城へ来てくれるリナスにそのことを話すと、賛同して計画を話す。
「お姉様は結界を強化しようと考えて、お父様に頼み魔法道具を調達しました。それを利用すれば、結界を破壊することができるはずです!」
結界に干渉するためには、国王の許可が必要となる。
エルノアは国の防衛力を強めるため、結界を強化したいと申し出た。
そして問題なく結界を強化できているが、今の内なら結界を破壊することができるようだ。
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王子という立場だから、結界の重要性は知っている。
とんでもない提案を聞いて動揺しているが、リオナは冷静だった。
「放置すれば大変ですが、魔法使いの命を使うことで結界は直せます」
「結界の生贄か。優秀な魔法使いでなければ、何人も生贄が必要と聞いている」
「優秀な魔法使い――そして私達の邪魔になるエルノアお姉様を、結界の生贄にしましょう」
リオナは魔法の実力で、姉のエルノアと差があることを気にしている。
俺は励まして、次第にリオナのことが好きになっていく。
ここまでエルノアのことをリオナが嫌っていたことに、俺は驚きながら尋ねた。
「全てエルノアのせいにして、罰として結界の生贄にする……姉だが、リオナはそれでいいのか?」
「はい! ドスラ殿下と結婚できるのなら、エルノアお姉様は消すべきです!」
――リオナと結婚できる。
そのことを考えると、俺は無茶苦茶な計画にも賛同してしまう。
「わかった。これから結界を壊し、全てエルノアのせいにしよう!」
「はい! 父と母は私を溺愛しているので、間違いなく提案を聞いてくれます!」
エルノアは優秀で行動力があり、その行動力を家族は恐れているらしい。
魔法使いとしては並のリオナの方が、家族としては好きと聞いていた。
俺はリオナと話し合い、今後の行動を決める。
邪魔なエルノアは、結界の生贄として消してしまえばいい。
そんな計画を進めて――消えるのは、俺達の方だった。
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