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第11話

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ザオード視点

 魔法学園は2学期が終わり、ルドレスト子爵家の屋敷で俺はリシアと話し合っていた。

 ルドレスト家の領主は俺とリシアが真実を話すと納得して、即座にマリーを捜索してくれる。
 リシアが今までと同じ活躍をしなくなり、不安となっていたようだ。

 捜索させて――未だに、マリーの目撃情報はない。
 性格的に他国へ行ったと推測して探させているのに、隣国でマリーを見た者はいないようだ。

 これからのことを考えて不安になってしまうと、部屋でリシアが話す。

「ザオード様、マリーは生きるため本来の実力を発揮するでしょう。そうなれば有名となり、私達は居場所を知ることができます」
「確かにそうだな……今はまだ、時間が経っていないだけか」
「はい。私はザオード様と婚約することができましたし、苦しいことばかりではありません!」

 リシアがそう言ってくれるのは嬉しいが、俺の成績を知っていたら婚約していない気がする。
 婚約を受け入れたのは、俺が新学年に上がれず退学になる可能性があることを知らないからだ。
 伯爵令息が退学するなんて噂にもできないようで、リシアとは学年が違うから隠し通すことができていた。

「休みは旅行に行きたいと言っていたが、マリーが見つかった後にしよう」
「えぇっ……仕方ないですね」

 俺の発言を聞き、リシアは落ち込みながらも賛同してくれる。
 休日は魔法に費やすことで、とにかく退学にならないようにしなければならなかった。
 
 魔法学園を退学になれば、勘当されてしまう恐れがある。
 焦りから魔法を上手く扱えなくなり、とにかく冷静にならなければならない。
 わかっているのに、今まで通り魔法が扱えなくなって――2週間の休みが終わり、明日から新学期がはじまろうとしていた。
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