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第5話
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ザオード視点
休日が終わり魔法学園に登校した俺は、クラスメイトにマリーが家を捨て退学したと言い広める。
学園にもういないマリーのせいにすることで、これからリシアを新しい婚約者にするつもりでいた。
そして数日が経ち……俺はマリーを脅し命令していたことを、更に後悔するようになる。
今までマリーから教わっていたから成績がよくて、消えたことにより教わる時間が必要だったと再認識したからだ。
魔法を扱う授業で、指示された通りに魔法が使えなくなった俺に対して先生が言う。
「ザオード様。婚約者が退学になったせいかもしれませんけど、自身の扱う魔力に合わせて魔法を使うべきです」
「わかっている! マリーは何も関係ない!!」
魔法が成功しなくなり、先生の忠告を聞き激昂するしかない。
今までマリーに対して「婚約を破棄したい」と俺は言い続けていたのに、そのマリーがいなくなると魔法が上手く扱えなくなってしまう。
マリーが優秀だったと知られたら、俺の評判は間違いなく落ちるだろう。
数日の間は努力し今まで以上の成績を出そうとしたが……努力したことにより、マリーがどれだけ教えることが上手かったのかを思い知らされていた。
叫んだ俺を眺めて、先生は告げる。
「そうですか。それなら問題ないと思いますけど、もしこれからも魔法を失敗するようなら退学もありえます」
「なっっ……俺は伯爵家の令息なのに、退学させるというのか!」
「それが決まりです。ザオード様が今まで通り魔法を扱えれば、何も問題ありません」
「そ、そうだな! わかっている!」
今まで通り……先生の発言を聞き、俺は更に焦ってしまう。
マリーに命令し続けていたことを後悔するが、それは誰にも知られるわけにはいかない。
そんなことを考えると集中できず、何度も魔法を失敗して……俺が後悔していると、学園の生徒達は察するようになっていた。
休日が終わり魔法学園に登校した俺は、クラスメイトにマリーが家を捨て退学したと言い広める。
学園にもういないマリーのせいにすることで、これからリシアを新しい婚約者にするつもりでいた。
そして数日が経ち……俺はマリーを脅し命令していたことを、更に後悔するようになる。
今までマリーから教わっていたから成績がよくて、消えたことにより教わる時間が必要だったと再認識したからだ。
魔法を扱う授業で、指示された通りに魔法が使えなくなった俺に対して先生が言う。
「ザオード様。婚約者が退学になったせいかもしれませんけど、自身の扱う魔力に合わせて魔法を使うべきです」
「わかっている! マリーは何も関係ない!!」
魔法が成功しなくなり、先生の忠告を聞き激昂するしかない。
今までマリーに対して「婚約を破棄したい」と俺は言い続けていたのに、そのマリーがいなくなると魔法が上手く扱えなくなってしまう。
マリーが優秀だったと知られたら、俺の評判は間違いなく落ちるだろう。
数日の間は努力し今まで以上の成績を出そうとしたが……努力したことにより、マリーがどれだけ教えることが上手かったのかを思い知らされていた。
叫んだ俺を眺めて、先生は告げる。
「そうですか。それなら問題ないと思いますけど、もしこれからも魔法を失敗するようなら退学もありえます」
「なっっ……俺は伯爵家の令息なのに、退学させるというのか!」
「それが決まりです。ザオード様が今まで通り魔法を扱えれば、何も問題ありません」
「そ、そうだな! わかっている!」
今まで通り……先生の発言を聞き、俺は更に焦ってしまう。
マリーに命令し続けていたことを後悔するが、それは誰にも知られるわけにはいかない。
そんなことを考えると集中できず、何度も魔法を失敗して……俺が後悔していると、学園の生徒達は察するようになっていた。
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