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第29話

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 その後、1年が経って――クノレラとラウドは、行方不明になっていた。

 クノレラは家が没落して、ラウドは魔法学園を落第して勘当を言い渡されている。

 それ以降は調べる気もなくて……全てが終わり、私とサダムは楽しい日々を送っていた。

 サダムは魔法に秀でていて、似た実力を持つ私と意気投合している。

 今は魔眼について調べているけど――才能の一種だと、私は確信していた。

「魔眼の力か。俺の力が有名になると、キャシーも目立ってしまうが……大丈夫か?」

「はい。サダム様の傍にいられるのなら、私は何も問題ありません」

 時々サダムが心配してくれるけど、私の返答はいつも同じだ。

 来週には結婚式で、式が終われば心配することも少なくなるはず。

 一緒にいられる日々が幸せで――告白してよかったと、心から想っていた。
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