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第27話

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 クノレラは呪いを解きたくないみたいだけど、それなら別の方法で呪いを解くだけだ。

 話し続けてて意識を失わせようとしているから、もう消すしかないとサダムも考えている。

「キャシー、貴族を捨てることになるが、俺が必ず傍にいる」

「はい。それなら私は大丈夫です」

 私にとって最悪なのは、サダムがいなくなることだ。

 それに比べれば家を捨てるぐらい問題ないと考えていた時――クノレラが叫ぶ。

「うぅぅっっっ――呪いを解きます!!」

 どうやらこの場で消されるより、呪いを受けても意識が戻ることに賭けたようだ。

 宣言したと同時にクノレラが床に倒れて……サダムが、私の支えがなくても立てるようになっている。

「本当に、クノレラは呪いを解いたようだ」

「もう、目は覚めないのでしょうか?」

「解らない。かけた呪いの力が強力過ぎたからな……今頃、悪夢を見続けているから、消えた方がよかったはずだ」

 クノレラは数年、数十年……もしかしたら一生苦しみ続けて、生涯を終えるかもしれないらしい。

 そんな魔法を使ったクノレラの自業自得で――サダムが治ってよかったと、私は思っていた。
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