呪いを受けたせいで婚約破棄された令息が好きな私は、呪いを解いて告白します

第２２話

　覚悟はできているのかと、クノレラは聞いてきた。

　呪いをかけた犯人と認めないのなら、私は命を奪ってでもサダムにかけた呪いを解く。

　魔法使いの人達に囲まれている状況だけど……この機会を逃すと、クノレラを仕留めることはできそうにない。

　私は一度の魔法に全ての魔力を使い、全力の魔法でクノレラを仕留める。

　その後、私がどんな目に合ったとしても――サダムが助かるのなら、構わなかった。

　こうなることは予想できていて、一時的に魔力を高める薬も飲んでいる。

　余裕そうな表情を浮かべている今が、最大のチャンスだ。

「覚悟ならできています――貴方を消す覚悟です！」

「――ひっっ！？」

　私が全魔力を込めた魔法を使い、クノレラを閃光で攻撃した瞬間――その攻撃は防がれてしまう。

　屋敷で雇われた人程度なら問題ないと考えていたけど、この場にいる人達は私の想像以上に強かった。

　全ての魔力を使って疲弊していると、私を眺めてラウドが嗤う。

「はははっ！　素晴らしい魔法だが、俺達の方が強かった……キャシーを捕らえろ！　これは処刑になりそうだ！」

　喜びながらラウドが宣言して、攻撃を受けた時は驚いていたクノレラも笑みを浮かべる。

　その時――私に迫っていた人達は、一瞬で倒れることとなる。

「なぁ――っ！？　ど、どういうことだ！？」

　驚愕したラウドが叫び、私は扉を眺める。

「――サダム、様？」

　私の目の前には――呪いで弱っているはずのサダムがいて、私に迫った人達を全て倒していた。