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第55話

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 私が結界を張ったことで、シロク達を襲っていた兵隊達も無力化されたようだ。
 
 魔界の結界を張るための魔法道具の力は、王都限定で作用していた。
 私とラーサーの推測は当たっていて、フィオナの野望を打ち砕くことに成功する。

 依頼を終えて王家が滅び、エリオース国は解体されていく。
 完全に滅びるまで私は結界を張ったままで魔法が使えないけど、ラーサーがとシロクが守ってくれる。

 そして数ヶ月後――国は完全に滅び、私は再び結界を破棄していた。

■◇■◇■◇■◇■

 国は滅んでしまったけど、エリオース国の選択だと割り切ることができている。

 私はラーサーと一緒に他国へ向かい、冒険者生活を続けることにしていた。

 国を出て世界を巡る――ラーサーと一緒にいるだけで、最高に幸せだ。
 気になっていることがあったから、私はラーサーに尋ねる。

「ラーサーはもう、1人でも上位冒険者として戦えます……私と一緒で、いいのですか?」

 私の強化魔法を使うことで、ラーサーは戦い方を学んでいた。
 モンスターを倒し続けたことで肉体が強化されて、今のラーサーは会った時とは別人になっている。

 それでも私と一緒にいてくれるのか尋ねると、ラーサーは笑顔で応えてくれた。

「当然です。私はエルノア様と、これからも一緒にいたいと考えております」

 ラーサーが本心を伝えてくれるのは、強化魔法の影響で心情を理解しているからだ。
 本心を言葉で聞いて、私も想いを伝えた。
 
「ありがとう……私も、同じ気持ちです」

 私は結界を破棄して――冒険者として、ラーサーと一緒に行動している。
 お互い一緒にいられることが、最高に幸せだ。
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