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第53話

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 話を終えて、フィオナとの戦いが始まる。
 ドスラは魔界の魔法道具らしい剣を持っているけど、強化魔法をかけたラーサーが押していた。

 前衛はラーサーが優勢だけど、後衛は私が強化魔法を使っていることもあってフィオナの方が強い。
 魔力の減り方も私の方が早いから、長期戦になれば絶対に負ける。

 私がラーサーを強化と回復しているけど、フィオナはドスラを回復せず魔法で攻撃を仕掛けてくる。
 その対処も魔法で行っているから、私達は着実に追い詰められていた。

「フィオナ、このままだとドスラの肉体が保ちませんよ!」

「その前にエルノアの魔力が尽きて勝ちます……やはり、私の計画は完璧でした」

 その後ドスラは魔法道具の力で消滅しそうだけど、フィオナは私に勝てればそれでいいようだ。
 私達は防御に徹するしかなくて、フィオナはドスラを犠牲に猛攻を仕掛けてくる。

 私の傍にドスラと距離をとったラーサーがやって来て、フィオナ達に聞こえない小声で呟く。

「エルノア様……あの魔法道具はルアンが所持していたナイフより遙かに強力で、普通なら肉体が保ちません」

「そうですね。私も、それが気になっていました」

 ドスラの実力はルアンより弱いはずだけど、魔法道具の力で強化魔法を使ったラーサーと戦える程になっている。

 魔法道具が強くてもドスラの肉体が保っているのが異質で……私とラーサーは、理由を推測する。

 そして――ラーサーがドスラに斬りかかり、弾き飛ばす。
 フィオナの元に接近すると、手の平から光の魔力による円形のシールドを全方位から出していた。
 
 ドスラがラーサーの背後をとり、フィオナを攻撃したタイミングで仕留める。
 後衛のフィオナを狙うことは想定していたようだけど、私達の狙いは違った。

「狙いは……結界の魔法道具ですか!?」

 フィオナが叫ぶけど、自らが出したシールドが邪魔で攻撃の魔法が使えない。
 ラーサーが杖の魔法道具、魔界の結界を張る道具を破壊して――私は、結界を張り直す。

「――ぐぉぉぉっっ!?」

 その瞬間――魔法道具を扱えなくなったドスラが、一気に悶え苦しんでいる。

 フィオナも諦めた様子で――私達は、フィオナに勝利することができていた。
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