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第45話

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ドスラ王子視点

 婚約者のフィオナが魔界と干渉して、取引をしたと言い出す。
 国を守る結界を破棄させ、エリオース国は崩壊寸前……そして、結界を失ったことでモンスターにとっての楽園と化している。

 フィオナは魔界と取引するため、この国を売り払ったと考えていた。
 俺の叫びに対して、フィオナは全てを話す。

「いいえ、全ての決定権は私にあります……これは、私が望んだことです」

「なっ……!?」

「エリオース国を疑似的な魔界にして世界の反応を見る――それが私の目的です」

 フィオナが目的を話すも、俺には唖然とするしかない。

 今この国は滅びようとしているのではなく……作り変えているだけ。
 モンスターや魔族の産まれる大地、魔界を作ろうとしているようで、その先が理解できない。

「世界の反応を見るだと……お前は、何を言っている?」

「私は魔族の国を作り、世界の団結力を見たいのです。国同士が足を引っ張り合い滅びるのか、それとも共通の敵を相手に団結できるのか……楽しみではありませんか」

 そんな……好奇心による実験の為だけに、自分の産まれた国を滅ぼそうとしている。

 魔法に秀でた者は正気を保てなくなると聞いたことがあるが、ここまでとは思わなかった。
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