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第43話

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ドスラ王子視点

 エルノアを婚約破棄してから、約2ヶ月が経過していた。
 もはやエリオース国は崩壊しているようなもので、王都以外マトモではないとされている。

 国を捨てた貴族が多く、魔法協会も関与しなくなり、冒険者ギルドも見限ろうとしていた。
 滅びを待つだけの国で……今の陛下や兄弟達は、生き延びることしか考えていない。

 それなのに……数日前から、家族に異変が起こる。
 危険だからと城から出なかったはずなのに、陛下や兄弟の王子達が、外に出て活動を始めていた。

 何をしているのか教えてくれず、俺は困惑するしかない。
 ルアンからの報告もなく、部屋にいると……フィオナがやって来ていた。

「ドスラ様、ルアンが消滅しました」

「……なんだと?」

 フィオナの報告を聞き、俺は動揺するしかない。
 最後の望みが潰えたというのに、フィオナは淡々と話す。

「あれほどまでエルノアに対する憎しみがあれば、魔界の魔法道具を使えると思ったのに……愚者は愚者でした」

「フィオナ、お前は今なんと言った?」

 ――魔界の魔法道具。
 聞いたことはあるが、実在しているわけがないと考えていた。

 それなのに平然と、フィオナは魔界の魔法道具を渡したと話す。
 理解できないでいると……フィオナは、笑みを浮かべていた。

「そうですね……ドスラ様には、全て話しましょう」

 その後、俺はフィオナから今までの出来事が全て計画だったと知る。
 婚約破棄、結界の放棄……それによる今までの惨状全ての元凶は、婚約者のフィオナだった。
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