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第36話

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 翌日――私とラーサーは問題なく依頼を終えて、冒険者ギルドに戻り報告していた。

 フィオナのことは気になるけど、王都とは関わりたくない。
 冒険者ギルドが見限るのなら、私もエリオース国を後にしよう。

 王都が残りそうなのは予想外だけど、国は崩壊したようなものだ。
 
 私はラーサーと次の依頼を話し合っていると……冒険者ギルドの扉が勢いよく開き、叫び声が聞こえる。

「俺はルドレスト子爵家のルアンだ! 妹エルノアはいるか!!」

 いきなり元兄ルアンが現れて、大声で私の名前を叫ぶ。

 ……名前を変えておくべきだったと、今になって後悔してしまう。

「エルノア様、あの人は……」

「私の元兄です……騒ぎになってしまいますし、行くしかないですね」

 私達は冒険者登録をしてすぐ中位になり、中位の依頼もハイペースでこなしている。
 冒険者ギルドでも有名になっているから、無視するわけにもいかなかった。

「私がエルノアですが、貴方の妹ではありません」

 ルアンと対面するけど、どうやら1人のようだ。
 私と前に出てくれたラーサーを見て一気に怒り、ルアンが叫ぶ。

「妹に決まっているだろう! さっさと戻ってこい!」

 ルアンが叫び、私は理解する。
 結界を張り直させるため、私を連れ戻したかったようだ。
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