20 / 28
第20話
しおりを挟む
ズドラ視点
ロゼスの策を実行して、紅茶に毒を仕込んでから約一年が経過している。
半年前にシルフとの婚約を破棄してから、俺の評判は地に落ちていた。
「まさかシルフの奴が、聖女だったとは……ロゼスの言うとおりスキルを隠していたのは間違いない!」
シルフが聖女だと公表されて以降、ロゼスの機嫌は悪くなっている。
このままだと何をするかわからず、不安になった俺はシルフを再び婚約者にしようと提案してしまう。
シルフの奴はゼアンという子爵令息を新たな婚約者にしていたが、立場的に可能性はあると考えていた。
それでも一蹴されてしまい……屈辱と後悔で、俺は苦しんでいる。
「ロゼスはシルフを何度も毒を使い消そうとしたが、全て失敗した……聖女の力とは最悪の相性だったのだろう」
自信があった毒を無力化されたことで、ロゼスは苛立っている。
「ロゼスはシルフが聖女だと知って以降、何かを企んでいる……婚約者として、知っておかなければならない」
シルフを消そうとしている行為は、聖女と公表した今は危険すぎる。
貴族でも処刑される程で……聖女というのはそれほどまでの力があった。
もうシルフとは関わるべきではないと考えながら、俺はロゼスの屋敷に向かう。
そして――俺は、ロゼスの毒の真相を知ることとなっていた。
ロゼスの策を実行して、紅茶に毒を仕込んでから約一年が経過している。
半年前にシルフとの婚約を破棄してから、俺の評判は地に落ちていた。
「まさかシルフの奴が、聖女だったとは……ロゼスの言うとおりスキルを隠していたのは間違いない!」
シルフが聖女だと公表されて以降、ロゼスの機嫌は悪くなっている。
このままだと何をするかわからず、不安になった俺はシルフを再び婚約者にしようと提案してしまう。
シルフの奴はゼアンという子爵令息を新たな婚約者にしていたが、立場的に可能性はあると考えていた。
それでも一蹴されてしまい……屈辱と後悔で、俺は苦しんでいる。
「ロゼスはシルフを何度も毒を使い消そうとしたが、全て失敗した……聖女の力とは最悪の相性だったのだろう」
自信があった毒を無力化されたことで、ロゼスは苛立っている。
「ロゼスはシルフが聖女だと知って以降、何かを企んでいる……婚約者として、知っておかなければならない」
シルフを消そうとしている行為は、聖女と公表した今は危険すぎる。
貴族でも処刑される程で……聖女というのはそれほどまでの力があった。
もうシルフとは関わるべきではないと考えながら、俺はロゼスの屋敷に向かう。
そして――俺は、ロゼスの毒の真相を知ることとなっていた。
10
お気に入りに追加
1,256
あなたにおすすめの小説
異世界から本物の聖女が来たからと、追い出された聖女は自由に生きたい! (完結)
深月カナメ
恋愛
十歳から十八歳まで聖女として、国の為に祈り続けた、白銀の髪、グリーンの瞳、伯爵令嬢ヒーラギだった。
そんなある日、異世界から聖女ーーアリカが降臨した。一応アリカも聖女だってらしく傷を治す力を持っていた。
この世界には珍しい黒髪、黒い瞳の彼女をみて、自分を嫌っていた王子、国王陛下、王妃、騎士など周りは本物の聖女が来たと喜ぶ。
聖女で、王子の婚約者だったヒーラギは婚約破棄されてしまう。
ヒーラギは新しい聖女が現れたのなら、自分の役目は終わった、これからは美味しいものをたくさん食べて、自由に生きると決めた。
護国の聖女、婚約破棄の上、国外追放される。〜もう護らなくていいんですね〜
ココちゃん
恋愛
平民出身と蔑まれつつも、聖女として10年間一人で護国の大結界を維持してきたジルヴァラは、学園の卒業式で、冤罪を理由に第一王子に婚約を破棄され、国外追放されてしまう。
護国の大結界は、聖女が結界の外に出た瞬間、消滅してしまうけれど、王子の新しい婚約者さんが次の聖女だっていうし大丈夫だよね。
がんばれ。
…テンプレ聖女モノです。
婚約破棄でも構いませんが国が滅びますよ?
亜綺羅もも
恋愛
シルビア・マックイーナは神によって選ばれた聖女であった。
ソルディッチという国は、代々国王が聖女を娶ることによって存続を約束された国だ。
だがシェイク・ソルディッチはシルビアという婚約者を捨て、ヒメラルダという美女と結婚すると言い出した。
シルビアは別段気にするような素振りも見せず、シェイクの婚約破棄を受け入れる。
それはソルディッチの終わりの始まりであった。
それを知っているシルビアはソルディッチを離れ、アールモンドという国に流れ着く。
そこで出会った、アレン・アールモンドと恋に落ちる。
※完結保証
義妹に婚約者を奪われて国外追放された聖女は、国を守護する神獣様に溺愛されて幸せになる
アトハ
恋愛
◆ 国外追放された聖女が、国を守護する神獣に溺愛されて幸せになるお話
※ 他の小説投稿サイトにも投稿しています
【完結】聖女を害した公爵令嬢の私は国外追放をされ宿屋で住み込み女中をしております。え、偽聖女だった? ごめんなさい知りません。
藍生蕗
恋愛
かれこれ五年ほど前、公爵令嬢だった私───オリランダは、王太子の婚約者と実家の娘の立場の両方を聖女であるメイルティン様に奪われた事を許せずに、彼女を害してしまいました。しかしそれが王太子と実家から不興を買い、私は国外追放をされてしまいます。
そうして私は自らの罪と向き合い、平民となり宿屋で住み込み女中として過ごしていたのですが……
偽聖女だった? 更にどうして偽聖女の償いを今更私がしなければならないのでしょうか? とりあえず今幸せなので帰って下さい。
※ 設定は甘めです
※ 他のサイトにも投稿しています
不憫なままではいられない、聖女候補になったのでとりあえずがんばります!
吉野屋
恋愛
母が亡くなり、伯父に厄介者扱いされた挙句、従兄弟のせいで池に落ちて死にかけたが、
潜在していた加護の力が目覚め、神殿の池に引き寄せられた。
美貌の大神官に池から救われ、聖女候補として生活する事になる。
母の天然加減を引き継いだ主人公の新しい人生の物語。
(完結済み。皆様、いつも読んでいただいてありがとうございます。とても励みになります)
神託を聞けた姉が聖女に選ばれました。私、女神様自体を見ることが出来るんですけど… (21話完結 作成済み)
京月
恋愛
両親がいない私達姉妹。
生きていくために身を粉にして働く妹マリン。
家事を全て妹の私に押し付けて、村の男の子たちと遊ぶ姉シーナ。
ある日、ゼラス教の大司祭様が我が家を訪ねてきて神託が聞けるかと質問してきた。
姉「あ、私聞けた!これから雨が降るって!!」
司祭「雨が降ってきた……!間違いない!彼女こそが聖女だ!!」
妹「…(このふわふわ浮いている女性誰だろう?)」
※本日を持ちまして完結とさせていただきます。
更新が出来ない日があったり、時間が不定期など様々なご迷惑をおかけいたしましたが、この作品を読んでくださった皆様には感謝しかございません。
ありがとうございました。
悪役令嬢と呼ばれて追放されましたが、先祖返りの精霊種だったので、神殿で崇められる立場になりました。母国は加護を失いましたが仕方ないですね。
蒼衣翼
恋愛
古くから続く名家の娘、アレリは、古い盟約に従って、王太子の妻となるさだめだった。
しかし、古臭い伝統に反発した王太子によって、ありもしない罪をでっち上げられた挙げ句、国外追放となってしまう。
自分の意思とは関係ないところで、運命を翻弄されたアレリは、憧れだった精霊信仰がさかんな国を目指すことに。
そこで、自然のエネルギーそのものである精霊と語り合うことの出来るアレリは、神殿で聖女と崇められ、優しい青年と巡り合った。
一方、古い盟約を破った故国は、精霊の加護を失い、衰退していくのだった。
※カクヨムさまにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる