婚約者が毒を使って私を消そうとするけど、聖女だから効きません

天宮有

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第15話

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 ゼアンは私の話を信じてくれて……私は驚いている。

 聖女の力を見せないと信じられないはずと、私は考えていた。

 私は思わず、信じてくれたゼアンに尋ねる。

「あの、ゼアン様は疑わないのでしょうか?」

「私がシルフ様の発言を疑うわけがありません。それでも気になるようでしたら、そうですね――」

 断言しながらも、私が困惑したことでゼアンが思案している。

 そして、すぐにゼアンが私に話してくれた。

「今までのロゼスの言動が腑に落ちます……謎の暴言をシルフ様に吐いていましたけど、聖女の力で毒を消されたからですね」

「そ、そうです」

 確かにロゼスの一件を話しておけば、納得できる理由になったかもしれない。

 私を納得させるために理由を考えた辺り、ゼアンは私の発言ならなんでも全て信じそうだ。

「ゼアン様……ありがとうございます」

 ここまで親身になってくれるのはゼアンしかいないと考えて、ゼアンと一緒にいたいと強く想う。

 今までゼアンといた日々を思い返し――これが好きなのだと、私は理解した。
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