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第9話

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 数日が経過して――私は、ゼアンの屋敷にやって来ていた。

 昔は何度も遊びに来ていたこともあるけど、ゼアンの部屋に来たのは数年以来だ。

 教室で私がゼアンに話がしたいと言って、屋敷に招待されている。

 椅子に座り、私はゼアンを眺めると……ゼアンが嬉しそうに話す。

「懐かしいですね……シルフ様が私に話したいことがあるというのは、ロゼス様が取り乱した件でしょうか?」

 いきなりロゼスが激昂していた出来事は、学園内でも話題になっていた。

 急に侯爵令嬢ロゼスが伯爵令嬢シルフに意味不明な発言をしたかと思えば、冷静になっている。

 婚約者ズドラを巡る何かがあったのではと、学園内で少し話題になったらしい。

「その通りです。あの時ゼアン様が助けてくださったのは嬉しいのですけど……今、ロゼス様とズドラ様に関わるのは危険です」

 毒を使い、私を消そうと目論んでいる2人だ。

 もしゼアンが私の味方をしていると考えたのなら、毒を使って消そうとしてもおかしくない。

 私の力で解毒できるけど……私のいない所で毒を使われたら、手遅れになる可能性がある。

 それを警戒した私は、ゼアンと話をしておきたかった。
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