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第7話

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 昼休みになって――ロゼスの様子が、明らかにおかしくなっていた。

「ここまでして、どうしてシルフ様は平然と……それに、もう1つの策も潰されている?」

 ロゼスは本以外の毒を仕掛けていた場所を調べたようで、毒が消えていることに驚いている様子だ。

 恐らく毒で私を消すのが最善で、失敗しても私が毒を使ったことにするのがもう1つの策のはず。

 席が少し離れている私でも聞こえる声でロゼスが呟いたかと思えば……苛立った様子のロゼスは、私の席までやって来る。

 ズドラは焦りながら同行して、ロゼスの肩に手を置いて話す。

「ロゼス様、落ち着いてください」

 ズドラの手と説得を振り払って、ロゼスは私を睨む。

「これが落ち着いていられますか! シルフ……貴方は何をしたの!?」

 どうやら今日で確実に全てが終わると考えていたようで、無力化されるのは予想外だったらしい。

 ロゼスは毒が消えていることから、私が毒を対処したと推測して叫んでいる。

 それに焦りを覚えているのはロゼスの隣にいるズドラだけど、口が滑ることを警戒していそう。

 もしロゼスが毒を仕掛けたことが周囲に知られれば……ズドラを消そうとした人が、毒を所持するロゼスになる。

 ズドラは最悪の事態を想像していそうだと考えていると……私の元に、1人の少年がやって来た。

「ロゼス様、ズドラ様……シルフ様に、何かありましたか?」

 理由を尋ねているけど、ロゼスが説明できるとは思えない。

 少年は肩まで伸びた赤い髪、奇麗な緑の大きな瞳……長身で鍛えているのがよくわかる体つきをした美少年だ。

 彼は子爵令息のゼアンで、私を心配して傍にきてくれたようだ。
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