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第6話
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数日後――私は魔法学園で授業を受けているけど、何も変わったことはない。
ズドラとロゼスは私と同じクラスだから、話を聞いた限り毒を仕掛けてくると考えていた。
紅茶に毒を仕込んで飲ませようとしなくなったけど、次の手段も毒を使うようだ。
前はズドラが強引に誤魔化していたけど、毒を使うのなら証拠になる。
問題があるとすれば……ロゼスが、ズドラの部屋で手段を話さなかったことだ。
ロゼスが動くと言っていたけど、どんな方法で毒を使ってくるのかと思った時――私は、解毒の魔法を無意識に使っていた。
「私の本に触れて解毒魔法を使ったということは、この本に毒が塗られていたということですか」
誰にも聞こえない小声で呟き、私はズドラとロゼスの視線を感じる。
もし私が誰かにこの本を貸して人が倒れたら、私が毒を使ったと騒ぎ出すつもりなのかもしれない。
そしてズドラの紅茶に毒を仕込んだ犯人を、私にする目論みのような気がする。
私はズドラ達にバレないよう冷静に……口元を教科書で隠した私は、思わず誰も聞こえない小声で呟く。
「それにしても、触れただけで意識が朦朧とする程の毒なんて……ロゼス様はどうやって準備したのでしょうか」
私は解毒魔法を使った際に毒の力を知ったけど、紅茶の時と同じ強力な毒だ。
ロゼスは魔法使いに毒を用意させたと言っていたけれど、ここまで強力な毒は知らない。
事前に手を打つことには失敗したけど、私は毒が効かないから問題なかった。
とにかく――最悪の事態を避けるため、私は周囲に広範囲の解毒魔法を使う。
魔力を感じ取ることができるのは極一部の人だけで、魔法学園の先生でも不可能だ。
誰にも気付かれずに周囲の毒を消滅させることで――私は、ロゼスの企みを潰すことができていた。
ズドラとロゼスは私と同じクラスだから、話を聞いた限り毒を仕掛けてくると考えていた。
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前はズドラが強引に誤魔化していたけど、毒を使うのなら証拠になる。
問題があるとすれば……ロゼスが、ズドラの部屋で手段を話さなかったことだ。
ロゼスが動くと言っていたけど、どんな方法で毒を使ってくるのかと思った時――私は、解毒の魔法を無意識に使っていた。
「私の本に触れて解毒魔法を使ったということは、この本に毒が塗られていたということですか」
誰にも聞こえない小声で呟き、私はズドラとロゼスの視線を感じる。
もし私が誰かにこの本を貸して人が倒れたら、私が毒を使ったと騒ぎ出すつもりなのかもしれない。
そしてズドラの紅茶に毒を仕込んだ犯人を、私にする目論みのような気がする。
私はズドラ達にバレないよう冷静に……口元を教科書で隠した私は、思わず誰も聞こえない小声で呟く。
「それにしても、触れただけで意識が朦朧とする程の毒なんて……ロゼス様はどうやって準備したのでしょうか」
私は解毒魔法を使った際に毒の力を知ったけど、紅茶の時と同じ強力な毒だ。
ロゼスは魔法使いに毒を用意させたと言っていたけれど、ここまで強力な毒は知らない。
事前に手を打つことには失敗したけど、私は毒が効かないから問題なかった。
とにかく――最悪の事態を避けるため、私は周囲に広範囲の解毒魔法を使う。
魔力を感じ取ることができるのは極一部の人だけで、魔法学園の先生でも不可能だ。
誰にも気付かれずに周囲の毒を消滅させることで――私は、ロゼスの企みを潰すことができていた。
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