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第12話
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ベネサ視点
数日後――私ベネサは、ダーロス王子の待つ城へ向かう馬車の中で憤っていた。
「ここ最近、リーゼが思い通り動かなくなっています……前までは扱いやすかったのに……」
本心を呟いてしまうほどに、今の私は焦っている。
私は馬車で1人になっている間、ダーロス王子を手に入れる計画を思い返す。
――リーゼの取り巻きをしているテルマの両親は、私の両親と仲がよかった。
私のお願いならリーゼよりも優先して行動してくれるから、追い詰めるための優秀な駒だ。
私はテルマに指示を出すことで、リーゼを教室内でダーロス王子に関わる者を排除する悪役に仕立てようと目論んでいた。
人を信じやすいリーゼは「ダーロス王子を狙う敵がいる」と話すことで、警戒心を一気に強めていく。
それによって私とレイン、取り巻きのテルマ、ミュノ以外を敵だと警戒した結果……教室内で危険な人だと認識される。
魔法学園は貴族が多く、その噂はクラスから学園に広がり、更に親である領主達の耳に入れたかった。
その積み重ねから……禁魔法の杖をリーゼに持たせることで、言い逃れできない状況にする。
今までダーロス王子に親身になっていた私が新たな婚約者になって、全てを知るリーゼに発言権はない。
それが私の計画だったのに……リーゼは冷静で、私にとっては予想外だった。
「今まで順調に進んでいたのに……私は、リーゼを侮っていたようです」
焦っている私は城に向かい、ダーロス王子と今後の計画について話そうとしていた。
そして――私は、ダーロス王子の発言に驚くこととなる。
数日後――私ベネサは、ダーロス王子の待つ城へ向かう馬車の中で憤っていた。
「ここ最近、リーゼが思い通り動かなくなっています……前までは扱いやすかったのに……」
本心を呟いてしまうほどに、今の私は焦っている。
私は馬車で1人になっている間、ダーロス王子を手に入れる計画を思い返す。
――リーゼの取り巻きをしているテルマの両親は、私の両親と仲がよかった。
私のお願いならリーゼよりも優先して行動してくれるから、追い詰めるための優秀な駒だ。
私はテルマに指示を出すことで、リーゼを教室内でダーロス王子に関わる者を排除する悪役に仕立てようと目論んでいた。
人を信じやすいリーゼは「ダーロス王子を狙う敵がいる」と話すことで、警戒心を一気に強めていく。
それによって私とレイン、取り巻きのテルマ、ミュノ以外を敵だと警戒した結果……教室内で危険な人だと認識される。
魔法学園は貴族が多く、その噂はクラスから学園に広がり、更に親である領主達の耳に入れたかった。
その積み重ねから……禁魔法の杖をリーゼに持たせることで、言い逃れできない状況にする。
今までダーロス王子に親身になっていた私が新たな婚約者になって、全てを知るリーゼに発言権はない。
それが私の計画だったのに……リーゼは冷静で、私にとっては予想外だった。
「今まで順調に進んでいたのに……私は、リーゼを侮っていたようです」
焦っている私は城に向かい、ダーロス王子と今後の計画について話そうとしていた。
そして――私は、ダーロス王子の発言に驚くこととなる。
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