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第5話
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魔法を扱えるようになった私は、不安が消えて魔法学園に向かう。
1週間が経って――エドガーが、教室で私に頭を下げていた。
「――ルクルよ俺が悪かった! 婚約者に戻ってくれぇっっ!!」
「お断りします。会話をすることもないのではありませんでしたか」
「ぐっっ――!?」
私の発言を聞いて、エドガーは怯み何も言えなくなっている。
魔法が扱えるようになった私は、学年でもトップの実力だと先生達が驚いていた。
今まで魔法が扱えなかったのに、扱えるようになったら凄い結果を出している。
私のことを知った生徒は様々な推測をして――正解に辿りつく。
エドガーのせいで、記憶を失う前の私は本来の実力を発揮できなかった。
そして今の私がルクル本来の実力で、エドガーは貴族達、家族から糾弾されているようだ。
その現状を打破するために、私を婚約者に戻そうとしていた。
そんなの断るに決まっているし、私は更に言わなければならないことがある。
「先週の私に対する嫌がらせの犯人がエドガー様だと、証拠を手に入れることができました」
「なっ、なんだと!?」
「もう提出していますので、学園から処罰が下るでしょう――そんな人と、再び婚約する気はありません」
「そんな……馬鹿な……」
私の発言を聞いて、言い逃れができないと理解したエドガーは項垂れる。
これから自らの末路に絶望している様子で、私は最後に言いたいことがあった。
「婚約を破棄した後の発言――あれは、自分自身のことだったのですね」
――何日かすれば、自らの愚かさを知るだろう。
自分のことを愚かだと理解したのは、私ではなくエドガーの方だった。
1週間が経って――エドガーが、教室で私に頭を下げていた。
「――ルクルよ俺が悪かった! 婚約者に戻ってくれぇっっ!!」
「お断りします。会話をすることもないのではありませんでしたか」
「ぐっっ――!?」
私の発言を聞いて、エドガーは怯み何も言えなくなっている。
魔法が扱えるようになった私は、学年でもトップの実力だと先生達が驚いていた。
今まで魔法が扱えなかったのに、扱えるようになったら凄い結果を出している。
私のことを知った生徒は様々な推測をして――正解に辿りつく。
エドガーのせいで、記憶を失う前の私は本来の実力を発揮できなかった。
そして今の私がルクル本来の実力で、エドガーは貴族達、家族から糾弾されているようだ。
その現状を打破するために、私を婚約者に戻そうとしていた。
そんなの断るに決まっているし、私は更に言わなければならないことがある。
「先週の私に対する嫌がらせの犯人がエドガー様だと、証拠を手に入れることができました」
「なっ、なんだと!?」
「もう提出していますので、学園から処罰が下るでしょう――そんな人と、再び婚約する気はありません」
「そんな……馬鹿な……」
私の発言を聞いて、言い逃れができないと理解したエドガーは項垂れる。
これから自らの末路に絶望している様子で、私は最後に言いたいことがあった。
「婚約を破棄した後の発言――あれは、自分自身のことだったのですね」
――何日かすれば、自らの愚かさを知るだろう。
自分のことを愚かだと理解したのは、私ではなくエドガーの方だった。
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