魅了魔法を使っていると疑われた私は、国から出て行くことにしました

第３２話

　屋敷には通話ができる魔法道具があって、ギルドマスターと会話ができる。

　通話距離は短く何度も使うと壊れるから、緊急時しか使えない魔法道具。
　その魔法道具を使って今日の出来事を報告すると、数十分後には屋敷に来てくれた。
　ギルドマスターに事情を説明すると、これからのことを話す。

「準備はできていて、後は戦力だけだったが――今すぐ、ドグニテ国に乗り込むとしよう」

　そう言ってギルドマスターが、用意していた魔法道具を取り出す。
　魅了を解く魔法薬は数個しかないけど、ミーファを抑えてしまえば問題はない。

「魅了魔法で操られている人は、戦力差を感じた瞬間に命を捨てて戦うようになっています……戦闘は回避して、ミーファを捕らえるべきです」

　そう言って元刺客の方は、ミーファが城のどこに居るのかを教えてくれる。
　ミーファはいつも自分の部屋か大広間、ザノークの部屋にいるようだ。

　魅了を解く手段は魔法薬以外なくて、ミーファをに解かせるしかない。
　その手段を準備することはできているから、私達はドグニテ国に向かっていた。