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第31話

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 全てが終わり、今日はセインが応接室に来てくれている。
 ヴァンとエイダの処刑も終えたけど、セインと会う機会は多い。
 今日は魔法道具の取引できていたけど――私は、セインに伝えたいことがあった。

「セイン様がいなければ、ルレック領はどうなっていたかわかりません。ありがとうございます」

「ルレック家には私も助けられています。助けるのは当然のことです」

 感謝を伝えると、セインは微笑みを浮かべる。
 その姿に惹かれて――私はもう1つ、伝えたいことがあった。

「セイン様は、私を信じてくれました。魔法道具の好奇心より、私を優先してくれたことも嬉しかったです」

「確かに魔法道具が好きですけど、サフィラ様を優先するのは当然です」

「そう言ってくれるセイン様が、私は好きです」

 私が告白すると、セインは驚いていた。
 返事が不安になってしまうと、セインが戸惑いながら話す。

「私としても、サフィラ様のことは好きですけど……私で、いいんですか?」

 どうやらセインは、周囲での評判を気にしているようだ。
 私のことを想って不安になるセインが、好きになっている。

「はい。私もセイン様に協力していますし、何も問題ありません」

 周囲から奇人だと思われるのなら、私も奇人で構わない。
 私はセインの婚約者になれて――幸せに暮らすことができていた。
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